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インヴェンション・オブ・サウンド

インヴェンション・オブ・サウンド

インヴェンション・オブ・サウンド

作家
チャック・パラニューク
池田真紀子
出版社
早川書房
発売日
2023-01-24
ISBN
9784152102003
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インヴェンション・オブ・サウンド / 感想・レビュー

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R

一回さらっと読んだだけでは、よくわからないという印象で終わってしまった。叫び声というSEをめぐる話で、本当かどうかわからない映画蘊蓄みたいなのが凄い面白くて、それをめぐる謎の争いというか、経済戦争めいたものが新鮮でよかった。いくつかの事件が当然のようにつながっていき、そうだろうなと思うようになっていくんだが、それ以上の暴力が襲ってきて、文章から叫びが聞こえそうなほどだった。期待ではないが、思った通りに進むのに、そうだと誰も言ってくれない、そんな文章が不思議だった。

2023/05/29

Vakira

この題名、直訳すると「音の創意」。画像は瞬間にそれを理解できる。しかし、音を理解するには時間が必要だ。音は時間と共に成立する。そして画像は平面であるのに対し、音は立体となり、空間を知る。音を支配する者は人の心を鷲掴む。パラちゃん初読み。ぶっ飛んでます。禁、子持ち親読。特に女の子をお持ちの親御さんは読まない方がいいと思います。ド変態・猟奇サイコパス物語。僕は思春期以前から江戸川乱歩で鍛えられたから大丈夫でしたが。でも、その世界の雰囲気は暗くないんです。日本の乱歩の様に陰的妖艶さはありません。

2023/04/07

愛玉子

「あたしの仕事はきっかり同じタイミングで世界の全員に悲鳴を上げさせること」最高の悲鳴を創造することに取り憑かれた音響効果技師の女。十七年前に行方不明になった娘を探すため、夜ごとダークウェブで児童ポルノの映像を渉猟する父親。接点のなさそうな二人の人生が交錯し、惨劇を誘発する。「この世に一つでも"本物"といえるものはあるのだろうか?」何が本物で何が偽物か。いや、本物など元より存在せず、ワインで飲み下した錠剤が見せる幻覚なのか。大脳辺縁系が共鳴する、サイレンを聞いた犬のように、原始の叫びが抗い難く全身から迸る。

2023/05/04

ヘラジカ

初パラニューク。成程、これは癖になりそうだ。ファンが多いのも頷ける。底抜けの暗黒が心胆寒からしむる怪作。ストーリーはまあ荒唐無稽。というかパラノイアが書いたような不条理な事象の連続なのだが、それが逆に”悪夢めいた生々しさ”という撞着語法的な世界を作り上げている。ジャンル分けするならノワール小説か。しかし、あまり類を見ない独特な作品だ。個人的には好みでも、小説としての質はまずまずな気もする。主役の一人ミッツィが語る雑学が面白かった。時間があれば初期の作品も読んでみたい。

2023/01/24

Kano Ts

「こうならないでくれ」と思いながら読み進めて、その予想のさらに下を行く。現代にアップデートされたパラニュークの暴力に圧倒されます。なんでこんな嫌な世界に詳しいんですかね。流し読みを許さない、目をそらしたいけどくぎ付けにしてくる、そんな力のある作品でした。作風として現実と妄想の区別が複雑に入り混じるあたりはディック的な要素もあるのかもとふと思いました。ほかの作品も読みたい!もっと翻訳してくれ!

2023/02/01

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