遺すことば: 文春ムック (文春MOOK)
遺すことば: 文春ムック (文春MOOK) / 感想・レビュー
いつでも母さん
どうか今、癌と闘っている方々やご家族への心にちょっとでも響くといいな・・なんて感じた次第。いかに先端治療が進んだといっても『がん』の響きは重い。この本の名のある方々とて受け止め方は千差万別なのだ。好きな作家の言葉や向き合う姿に、私なら・・なんてちょっとよぎるのも事実。いや、支える立場なら・・と。たら・ればを今から思ってどうする私。人間は受け入れるしかないのだなぁ。鬼籍に入られた方々は彼岸の彼方で今生の日本をどう見えているだろうか・・やっぱり惜しいよ。
2017/07/10
モルク
日本人の2人に1人が罹患し、もはや不治の病ではなくなった癌。その癌に立ち向かった17人の作家の記録。第3章最期のことばに登場する筑紫哲也、米原万里、藤原伊織、北重人の4氏はいずれも自らの病を受け入れるのではなく、それに最期まで真っ向から立ち向かっていた。近代西洋医学のみならず、民間療法も取り入れながら。その壮絶なる闘いの中でも文章を残そうとしていた。その言葉は重い。また、残される夫のことを気遣う河野裕子さんが詠んだ歌には涙した。
2018/05/15
しゃが
2人に1人が罹るといわれ、重苦しい病名「癌」、罹患は著名人も例外ではない、癌との向き合いかたを綴った記録集。井上荒野さん、村田喜代子は寛解。杉本章子さんは作家として生きることを選び、米原真理さんは強い意志で治療方法を探し、河野裕子さんの夫への思いは深く、井上ひさしさんはあっけなかった、もう逝ってしまわれた。どのかたもそれぞれの死生観が胸に迫った、ひとりの人間の素顔を見た思いだった。経過観察中の身としては告知されたとき、どんな選択肢を選ぶのだろう…。
2017/09/13
千穂
癌は今では不治の病ではないと言われている。本人に告知も当たり前だが、そう告げられた時果たして自分はどうだろう?17人の作家たちのがん闘病記。初期の方もそうでない方も。既に故人となられた方も。文章を書く人ならではの趣があった。中でも河野裕子さんの歌が心に残った。
2018/02/26
pohcho
17人の作家のがん闘病記。病を克服した方、お亡くなりになった方など様々。今は本当にいろんな治療法があるけれど、人の体も病も千差万別なので、何が自分に合うかはやってみないとわからない。昔と違って、今はあっさり本人に告知するんだとか、いろいろと勉強になった。宇江佐真理さんの小説は未読だけど、潔さが心に残った。藤原伊織さんの話に出てくる黒川博行さんとのエピソードもいい。米原万里さんの妹さんが井上ひさしさんの奥さんというのは知らなかった。
2017/08/30
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