ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉 (文春現代史コミックス)
ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉 (文春現代史コミックス) / 感想・レビュー
馨
漫画。辺見さんの文献も読了済みです。俘虜の方々が受けた仕打ちや飢餓、極寒の重労働、病死等が軽く描かれており残酷さは伝わりにくいと思います。山本幡男さん、ロシア語が堪能な一風変わった人間が多くの俘虜の支えとなっていました。彼の遺書を仲間が記憶し妻へ届ける一大イベントが全員成し遂げられたのも彼の人間性の偉大さによるものだったと思います。最後の俘虜が祖国に帰還したのは1956年。まだついこの間です。ソ連で亡くなった方は還ってこれません。内地の戦争が終わっても戦い続けていた多くの人たちのことを忘れてはいけない。
2022/08/10
しおり
先日 映画を観てきたので原作を、と思い図書館で借りたらコミックでした(^_^;)。シベリア抑留中の厳しい統制や労働、そして冬の極寒といった収容所生活で、希望の光を見失わない山本一等兵の精神の強さがスゴいものだと思います。皆から慕われる人間性など、辛さからどう絞り出しているのか?。本人の心の声を聞きたかったです。そんな山本さんだから、感動の遺言伝達という感動の連鎖となったのですね。個人的に犬の黒が帰還船を追いかけて来たことにも号泣させられたのでした。
2023/01/13
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
これは原作を読まなくては。20230521追記→原作 https://bookmeter.com/books/433542 を読んだらコミック化されたこの作品がいかに丁寧に原作を掬い上げているかがよくわかった。
2023/05/10
Cinejazz
ノンフィクション作家・辺見じゅん(1939-2011)さん原作『収容所から来た遺書』のコミック版。〝「ダモイ(帰国)の日は必ず来ます」・・・元一等兵山本幡男はシベリアの強制収容所(ラーゲリ)で死と隣り合わせの日々を送りながらも希望を捨てず、仲間を励まし続けた。しかし、過酷な捕虜生活が山本の体を蝕む。死期を悟った山本は4通の遺書を記し、日本の家族に届けるようにと遺言し、息を引き取る・・・〟山本幡男の遺書を記憶し、日本に持ち帰り遺族に届けた仲間たちの心意気に深い感動を覚える。
2022/09/07
ムーミン2号
文藝春秋社が100周年と称して戦争をテーマとした名作をコミカライズしている。その一冊。原作は辺見じゅんのノンフィクション。ラーゲリとはソ連の強制収容所であり、シベリアに抑留された人々の過酷な環境、そして山本幡男は約10年の抑留生活の後に亡くなってしまうが、彼の残した遺書を仲間が彼の家族に届けるまでが描かれている。知ってるつもりの戦争は実は知らないことだらけで、日本人のダモイ(帰国)にも政治の力が大いに作用していたこともよくわかる。映画化されるらしい。
2022/08/13
感想・レビューをもっと見る