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ブラック・ダリア

ブラック・ダリア

ブラック・ダリア

作家
ジェイムズ・エルロイ
吉野 美恵子
出版社
文藝春秋
発売日
1990-01-01
ISBN
9784163113302
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ブラック・ダリア / 感想・レビュー

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tom

名品という評判はあるものの、現時点(2021.9.2)の登録数71はさびしい限り。かなり努力して読了。面倒かつ濃厚繊細という不思議な読後感。でも、前回読んだ「LAコンフィデンシャル」と比べると、まだまだ読みやすい。終わりに近づくにつれて、謎解きへの興味が増し、前半までに読んだディテールが意味あるものとして現われてくる。エルロイが、練りに練って書いたものということが分かってくる。でも、過剰に努力を強いられるミステリーではありました。

2021/09/02

dynamonda

1947年のLAで実際に発生した迷宮入り殺人事件、通称ブラック・ダリア事件を下敷きにしたハードボイルド小説。主人公のバッキーは元ボクサーの警察官で、同じく元ボクサーの同僚であるリーとコンビを組んで、猟奇殺人事件の捜査に当たる――。ミステリや警察小説というよりも、ノワールと言ったほうが近い。事件を追うごとに主人公や周囲の人物たちの臭気がもわっと膨れ上がっていく。全編を通して薄暗い雰囲気が漂うこの感覚は独特。文章や展開に癖があり読むのに慣れる必要があるが、血生臭い物語に浸れることができた。

2022/08/07

ますりん

エルロイ暗黒のL.A.4部作の一つ目。LA市警のファイア&アイスと呼ばれた二人の元ボクサーと、ハリウッドを震撼させた未解決の「ブラックダリア事件」が交錯し物語はあらぬ方向へドライブし始める。ハリウッドの土地を巡る利権争い、イニシアチブの奪い合いに明け暮れる警察上層部と腐敗した現場の警察官たち、過去に隠された様々な事件、黙認された歓楽街。世界大戦後の混沌としたLAの雰囲気が味わえます。「ホワイトジャズ」もそうでしたが、もはや悪人しかいない世界。ラスト、踏み込んだ部屋のおぞましさはハートが弱めの人は要注意。

2024/02/02

2470913

ブラックダリア事件を通して翻弄される人々の生きざまを 筆者が読者に迎合することなく、とことん筆を費やした力作。それゆえに事件の犯人だけに主眼を置くことはナンセンス。事件にかかわる人々がいかなる決断をし人生の岐路を選択するのか、読者は自分の目で確かめてください。読んで損はしないはず。けどちょっと疲れました。(苦笑い)

2018/06/06

c

「LAコンフィデンシャル」が面白かったので、「ブラックダリア」も久し振りに再読。「LA」同様に映画化もされた人気作で、しかもこちらはデ・パルマ監督作品なのだが、「LA」以上に平板で全く印象に残っていない。尤もこの物語、作中時間は数年なのに恰も一代記のように兎角煩雑であり、煩雑さの中に事件の伏線も潜ませてある。映画用に簡略化した結果、単線的なプロットしか残らなかったのも仕様がない。それにこの作品は、LA四部作の一作目である以上に、これまで奇形的なハードボイルドを書き続けていたエルロイの集大成的達成である。

2016/01/20

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