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TVピープル

TVピープル

TVピープル

作家
村上春樹
出版社
文藝春秋
発売日
1990-01-19
ISBN
9784163115108
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TVピープル / 感想・レビュー

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優希

短編集なのでサクサク読めます。どの話も短いながらも村上春樹らしい不思議さとエロティックさが感じられました。物語自体は大きなことは起きないし、平凡なのですが、醸し出す空気感が何とも言えない味に思えます。後の作品に繋がるような短編もあり、孤独や喪失といった世界観は昔からあったのだなと思わされました。

2015/04/16

再び読書

佐々木氏のカバーが秀逸、この雰囲気と村上氏の作品がシンクロする感じがする。表題の「TVピープル」も微妙な気持ちで落ち着かない余韻を残して終えるが、村上氏の小説群には読者にこう感じさせる作品が多く思う。理解できる人が解ればいい、自分の描くストーリーに導かれ、書き進めていく。彼もシュール・レアリスムという言葉は否定するであろうが、それに近い考え方も持ち合わせているように感じる。「加納クレタ」はまたもや「ねじまき鳥クロニクル」の登場人物で、極端な生い立ちで現実離れしていた。「眠り」も最後が恐怖に満ちる。

2020/04/02

キク

「東京奇譚集」「レシキントンの幽霊」と連なる春樹さんの怖さを感じる、奇妙で切ない短編集。「眠り」では、眠れなくなった女性が夫の寝顔を見つめて「この人は昔より醜くなった。そしてこれからもっと醜くなっていく」と感じる。落ち着こうと息子の寝顔を見にいって「息子を愛しているのは間違いない。でも将来、息子のことがそんなに真剣に愛せなくなるだろうという予感がする。ある時ふと、この子供を軽蔑してしまうだろう。そう思うととても悲しい」と感じる。自分の嫁に「そんな事、普通感じないよね?」と聞いてみたいけど、怖くて聞けない。

2021/02/04

ひ  ほ@新潮部

『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、…』に登場した『眠り』を読むために借りたけどやっぱりよく分からない世界。村上春樹の世界は難しいなぁ

2021/01/18

AU.Step

『ねむり』を読了後、元作の『眠り』が収録された本作を引っ張り出す。奥付を見ると初版、大学卒業直前に購入した事を思い出した。収録作品はいずれも不穏な匂いを残したまま終わる。その後の展開は読者に投げっぱなしな感じで、想像を掻き立てる。その印象は初読時も今回も変わりない。個人的に『我らの時代のフォークロアー高度資本主義前史』が好み。

2021/05/05

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