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ステッセルのピアノ

ステッセルのピアノ

ステッセルのピアノ

作家
五木寛之
出版社
文藝春秋
発売日
1993-08-01
ISBN
9784163141404
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ステッセルのピアノ / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

なんとも不思議な一冊でした。時は古く、戦時中に遡り、とあるロシアの将校がかかわっていたとされるタイトルの「ステッセル」のピアノに纏わる小説でもあり、ルポルタージュでもあります。作中にたまたま今住んでる土地が登場してるので、手にとりました。正直、さほどその部分はあまり記述は少なめで重要ではなさそうでしたが、むしろ奇しくも最後の描写で地震で被災した能登半島の輪島市が出てきたコトに驚きを隠せませんでした。1台から複数のとあるピアノに関わる様々なエピソードから、自国だけではなく、他国の雰囲気も楽しめた作品です。

2024/01/13

fubuki

【図書館本】石川県に纏わる話を探していて、それなら五木寛之と思い手にしたら、驚くべき展開。五木さんらしいと言えばらしい。旅するピアノの軌跡を辿った作家の紀行でもある。ピアノの真の軌跡は解明できなかったが、ロシアの女性から得た「ふかく傷ついた人ほど、うつくしい物語を必要とするのよ」という言葉がこの物語の鍵になっているようだ。最終的には、石川県の工芸の粋を集めたようなピアノに生まれ変わったのだが、そこをもうちょっと詳しく知りたかった。これからの復興の礎となるかもしれない。それにしても無事だったのだろうか。

2024/02/15

りょう君

小説でもなく、エッセイでもなく、紀行文でもなく、とあるが作家がロシアを愛しているのがよく解る。日露戦争で壮絶な戦いをした乃木大将とステッセル将軍。結局、乃木大将が二百三高地を攻め、旅順を落とした。ポーツマス条約で乃木大将は、紳士的な態度を取った。それに感銘してステッセルがピアノを贈ったと、理解したい。決して戦争の戦利品だとは思いたくない。それにしてもステッセルのピアノが、日本の各地に有るのはロマンがあり謎である。遼東半島の旅順や大連の日本人の取材に今だに制限があるのは驚かされる。早く開放して欲しい・・

2016/03/08

ピンガペンギン

一種の小説だが、紀行文、エッセイとも言える文章。(後書きより)金沢女子大学、旭川遠軽の学校(窃盗などの罪をおかした少年の更生の)、広島など日本の複数箇所に存在するステッセルのピアノの謎を追う本なのかと題名で思うが、それだけではない。五木氏が遠軽、金沢、中国、ロシア、パリなどを旅して出会った人、旧知の友人、郷土史家など、そして戦争で深く傷ついた人たち(五木氏自身もそうだ)のことを綴っていく。最初は氏自身もピアノのことはそれ程興味が無かった。それが本を書くようになる経緯が面白かった。

2022/07/17

bibi

日露戦争で乃木希典と対峙したステッセル由来のピアノをめぐる話。真実は分からずじまいだがピアノに関わった人々の話が心を打つ。作者自身の幼少期の話も壮絶で、サンクトペテルブルクの母娘の話も心が痛い。話のきっかけはピアノだが、途方に暮れるほどに深い話だった。

2023/05/27

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