夏樹静子のゴールデン12
夏樹静子のゴールデン12 / 感想・レビュー
horuso
12短編からなる選集。夏樹静子が本当に上質だったか確認するために久しぶりに再読した。一番古い短編の公表が1971年でちょうど50年前。これぐらい古いと、もはや風俗小説の趣がある。全体的に、モノだけでなく人心のあり方も今とは違うところが多々感じられ、別の意味で興味深かった。「凍え」がいちばん印象深いのは昔も今も変わらない。実は小説よりも、桃井かおりとクロード・チアリが演じたドラマが忘れ難いのだが。読了後、質に関してガッカリすることはなくてよかったが、今のぼくはこの種の小説を求めていないこともよくわかった。
2021/08/01
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