豚の報い
豚の報い / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
芥川賞】表題作ともに沖縄を意識する小説。ユタ(霊能者)マブイ(魂)ウタキ(御嶽)にウガン(御願)。真謝島へ。発端の豚に始まり、沖縄を満喫。沖縄の風景と、風俗・生活と、若者の生き方のどこに焦点を当てて読めばいいか迷った。沖縄には1回しか行ったことがないので、沖縄で再読してから感想を書き直したい。
2014/09/30
翔亀
【沖縄49】1995年の芥川賞。沖縄っぽい小説のようだが、沖縄の祭祀に寄りかかっていないところが評価されたのだろう。主人公は御嶽(ウタキ)を自ら創造してしまうのだから。しかし、スナックでアルバイトする大学生が、数時間で渡れる故郷の島(久高島がモデルのようだ)に、ホステスたち3人を連れて里帰りするという青春のひとコマが、これほど読ませるのは、沖縄だからこそとも言える。ホステスたちの生きざまと、主人公の出自をめぐる自己確立の格闘が、島の風土と島の人々に暖かくそして自然に包まれるように語られるのは、よくよく↓
2021/12/31
ふみ
中身を引きずっている豚をおぶって夏の道を行くような印象。
2018/08/09
アキ
「琉球」の名がぴったりくる古代信仰の色濃く残る島々。「オキナワ」というベトナム出撃基地としての街。いずれも少し前の沖縄を描いた作品2編を収録し、そこに意義があるかのような一冊(?)。芥川賞受賞の表題作は、日常的に食材として身近でかつ神聖とされる豚が象徴的に扱われる。豚が運んだ厄を落としに訪れた島で、自由奔放に騒ぎ貪欲に食べる女たちの姿は、世俗的な意味での「豚」をイメージさせる。聖なるものと俗なるものが混沌とした現実世界を描いていそうで、わけが分からず…私の理解不足か芥川受賞作品への不可解さがまたまた募る。
2014/09/30
はる
図書館本。10月はじめは思わぬ沖縄本まつりとなる。題名と装丁で手に取った本。豚の闖入から、マブイを落としたから、風葬から、あれこれこれでもかと事が起こる。おなかをこわしたから、みんな救われるはなしなのか!?真面目なのかドタバタなのか、それでもなぜか納得して本を閉じた。(そして、「背中の夾竹桃」も読了。「夏休みの狩り」を読んでみたい)
2014/10/07
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