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骨

作家
フェイミエンイン
小川高義
出版社
文藝春秋
発売日
1997-04-01
ISBN
9784163169002
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骨 / 感想・レビュー

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nobi

「骨(Bone)」というちょっと引いてしまようなタイトルながら、そこにはチャイナタウンの喧騒と活気が漲っている。この前に読んでいた、悶々としたモノローグが続いていた二冊(「話の終わり」「これから話す物語」)とまるで違って、テンポの良さとストレートさが心地よい。短く切れの良いセンテンスは、幸せな気分もまれにあるけれど衝突と不満満載の家族の生活を、中国系アメリカ人達の英語と広東語で啖呵を切る世界を、映して行く。その威勢のよいテンポのまま、拭いようのない記憶を、持っていきようのない悲しみの世界を繰り広げて行く。

2020/06/21

meri

被害者意識ー自分と家族ー自己と他者の問題…。本作はまさにこれに尽きるように思われる。(ここでは移民から生じた)貧しさや鬱憤からくる不満のぶつけ合いが、徐々に家族を蝕み、軋ませてゆく。だが、そんな時、次女が自殺をする。これが一家に決定的な崩壊をもたらす。読後、あくまで救われたのは長女だけだったのではないか、と考えざるを得ないが、それでも彼らにとっては、これが最善の選択であり、ひとつの家族の形であったのである。「全て覚えている」ことは難しいが、それは私たちの罪滅ぼしであり、今を生きる者たちの宿命なのだ。

2014/10/07

Yumikoit

中国系の移民の家族。移民の時に書類を書き換え書き換え、いくつも名前を持つステップファーザー。彼の恩人の骨。墓のあり場所。移民としての色々な苦境。

2014/04/11

まろ

移民独特の、2言語の間で育った人間独特の感覚はとても面白い表現が多くてよかったのだけど、いまいちお話として魅力を感じられない。

2014/03/18

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