白仏
白仏 / 感想・レビュー
めぐこ
著者の祖父が実際に建立した白仏にまつわる小説。 枝葉の部分は創作との事。 九州の離島でのお話。鍛冶屋の息子として生まれた主人公稔が兄を事故で失う。日露戦争で戦闘に参加し負傷して島に戻り、結婚。父の仕事を継ぎ、そこで暮らしていく。戦争が終わり、事業に失敗、再度事業を起こし、事業は成功していく。 死んだらどうなるのか?死んだ人の魂はどこへゆくのか、死の前に生をまっとうし、死を受け入れてゆく。
2021/09/22
ガブリエル
辻仁成氏が祖父をモデルに、筑後川の最下流、有明海に接する河口の島・大野島を舞台に描いた大河小説。「何のために生きるのか」、「死とは何か」という誰もが必ず行き当たる命題を絶えず考え続けた主人公・鉄砲屋稔の人生が、淡々とした文章で彩られていく。地味だけど退屈じゃない、一人の人間の生き様。戦争で敵を殺したことに悩み続け、愛する者たちを失った先にたどり着いた、遺骨で仏を作るという試み。実際に大野島にそれがあるのですね。画像を検索して見たら、白くて綺麗な仏様でした。穏やかで満ち足りた読後感を味わえる作品でした。
2023/03/26
調“本”薬局問悶堂
5日目:死ぬということはなくなってしまうということじゃない 生きている人にとっては「死んだ状態があり続ける」ことだな
みなみ123
大野島という小さな島を舞台して、生と死とは何かを見つめたお話。フランスで賞を取ったものらしいということで読んでみた。サヨナライツカと冷静と情熱のあいだしか読んだことなかったけど、辻仁成ってやっぱり芥川賞作家なのね、と思った作品でした。
2018/02/18
naapiyo7171
生と死、愛とは、を高校生ながらに考えた作品だった。ちなみに、わたしはこの作品で夏休みの読書感想文を書き県知事賞をいただいた。
2011/06/20
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