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溺レる

溺レる

溺レる

作家
川上弘美
出版社
文藝春秋
発売日
1999-08-01
ISBN
9784163185804
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溺レる / 感想・レビュー

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パフちゃん@かのん変更

今まで読まなかったタイプの小説でした。愛欲に溺れる男女の短編集。といっても全然激しくなくて、淡々とした感じ。8編それぞれの主人公の女がどれもよく似たタイプだ。あまり好きではない。心中したのに相手の男だけが助かって、死んでしまった女の心だけが幽霊のように残り百年経った。という話やもっとすごい、二人とも不死の体になって五百年経ったという話も。何なんだいったい。

2017/12/04

名古屋ケムンパス

川上版官能小説です。剥きだしの愛欲が描かれていますが、カラッとした乾きが感じられ、この世の物語かどうかぼんやりとしたまま読み進めることになります。「あんたら、このまま何処までも行っちゃうつもりかよ?」とツッコミを入れたところで、「じゃあ、止めてみてよ」と切り返されそうです。…この本全部読んじゃったけど、傍目でも怖いので、話はよく聞いていなかったことにしたいと思います。

2016/01/31

竹園和明

色濃く濃密な関係、浮遊するような淡い関係、男女のつながり方はいろいろだ。きっと男と女では「淋しさ」の感じ方が違うのだろうが、この作品に出て来る女性達は“つながっていても孤独”な人達ばかり。肉体と精神が頂点でミートしても、その後に空虚を感じる女性の描写が非常に巧み。『百年』があまりにも切ない。そして『神虫』の脆さとエロスが、この短編集の極み。身体を重ねている瞬間でも淋しいとは…。出だしは不思議な世界だったが、知らぬ間に魅了されていた作品。川上弘美の術中にハマってしまった。

2017/11/26

クリママ

表題作含む8編の短編。男女間のなんだかふわふわしていてとらえどころのないようなもの。こういう話が「センセイの鞄」につながっていくのだろうかなどと思いきや、「百年」で40歳という年齢が出てきて、その愛欲がだんだんなまなましく感じられるようになる。最後の「無明」などは、なかなか強烈だ。ふと「曾根崎心中」を思い出した。

2018/09/01

てんちゃん

愛に…愛欲に溺れることをテーマとした短編集。最初は浸れませんでしたが、最後にはどっぷりと作品の織り成す愛欲に溺レました。題名の他に、作中の登場人物もカタカナで表記されているのですが、このカタカナが不安定さというか、常軌を逸した雰囲気を醸し出します。どの作品も濃いですが、私は「百年」が特に胸に迫りました。胸一杯に、哀しい…。

2017/11/08

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