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希望の国のエクソダス

希望の国のエクソダス

希望の国のエクソダス

作家
村上龍
出版社
文藝春秋
発売日
2000-07-19
ISBN
9784163193809
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希望の国のエクソダス / 感想・レビュー

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えみ

知らない間にゆっくりと破滅に向かっていく日本に恐怖を感じずにはいられなかった。知ってしまえば不安になるし、知らなければ現実に直面した時の反動が恐ろしい。メディアや経済、そして教育に伴う「信頼」という言葉をここまで深く考えたことは無かった。大人の凝り固まった常識に真っ向から立ち向かう中学生達が現在の日本の危機を曇りない純粋な目で捉えた絶望と希望の近未来物語。新しい国を生み出すためネットワークを巧みに使う…時代なのか不気味なほど静かに革命は進む。何でもある国、だけど希望だけがない国、日本。現実を見た気がする。

2020/01/05

りえ

パキスタンの映像に衝撃を受けた中学生たちの物語。ある日、数十万人の中学生が一斉に集団不登校を始めた。その中学生たちがインターネットを駆使して全国的ネットワークを作り上げ、さらにはビジネスまでも展開していく。中学生がここまでするかって感じはしたが、日本の閉塞感から脱出したいという気持ちはすごくわかる。爽快なストーリーだった。

2015/08/12

Ai

『オールドテロリスト』も読むと、村上さんの「日本で誰かコトを起こしてほしい」という期待が伝わってくる。コトを起こすのは、既得権益に縛られず、かつ思考が研ぎ澄まされた特定の集団。丁寧な取材を重ねておられる故、今回もその特定の集団=中学生たちがリアル。主人公が、彼らに対し、嫉妬と自己嫌悪に陥るシーンが印象的で、共感してしまった。正しくうまくいく人たちを見ていると、置いてきぼりにされてしまい、焦る。でも、変われない日本人。

2021/08/11

Squirrel

ナマムギ君が中心に進むのかと思いきや、そうでもなくて、実際に起こりそうな展開だとも思った。が、全体的に好みではなかった。中盤の金融系のところが特に???で頭がいっぱいに。村上龍作品を読むのは高校生以来だったので、実に35年ぶりだろうか。野幌が出てくるというので読書感想会お題本となったのだが、最初は果たして出てくるのだろうかと不安に。終盤で登場。名前だけ(正確には読みも違っていたが)の登場という感じだったが、それでも地元が活字になっているのは嬉しいものだ。

2016/12/21

takeapple

久々の村上龍だったけど、やっぱり面白いし凄いなあ。これが2000年に書かれたのか。悉く現実化している感じがする。そしてここに出てくるようなASUNARO世代の中学生とSEALDsの学生がダブって見える。アメリカ追随の現実を打破して、希望を取り戻して行くには、あらゆることを本気で学んで、変えていくしかないのだろう。そしてそれができるのは新しい世代なのかもしれない。その時、私は、関谷のようになれるか、テレビ朝日のキャスターや、文部省の山方か、TBSのキャスターなのか、ラブエナジーのリーダーなのか怖い所だ。

2016/01/01

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