血脈 下
血脈 下 / 感想・レビュー
佐藤ゅ
物語の後半、愛子が『シナがいなければ、自分ひとりなら楽なのに』と思う。シナが洽六の晩年に思った事と同じ…。『洽六さえいなければ、私ひとりなら』と…。 なんという無常か… そして最後、また同じことを言う… 『終わった…』。
decomo
まさに佐藤家の血なんですね。佐藤家男子のグウタラさは笑えます。そして、関わる女たちがみんな偉い。リアルに生きた人達。こんな大変な人生、私には無理!と思いました。佐藤愛子さんすごいです。
2020/04/18
chi0926
上中下巻と飽きずに読破させる内容、構成、文章力に脱帽。充実した読後感。佐藤家の男達はその強烈さを放出しながら生きていたが、女達は内に秘めながら生きていた。シナの徹底した傍観者の態度、早苗が晩年に見せた割り切りと吹っ切れっぷり、愛子の達観と諦め。どれも女性が取りがちな選択肢だが、とにかく徹底している。個人的には、シナの「沈黙を貫く根性」「一定の距離感を保ち続ける根性」を少し分けてもらいたい。
2011/12/18
デントシロー
佐藤洽六の血筋を引く男たちの凄まじいまでの放蕩ぶりが息子、孫、玄孫まで悉く書かれている。「血は水より濃し。」というがまさに真実であると思う。作者の佐藤愛子が自分を含め親族を第三者の立場から俯瞰して書いているが愛子自身の男運のなさも呆れる。愛子の再婚相手の誠二からの次から次へと借金の肩代わりなど事実か虚構か興味が尽きない。文章にリズムがあるのとストーリーが日常的なことなのでスラスラ読めてしまう。テレビのワイドショーを文章化して小説に仕立てある感覚である。洽六から始まる佐藤家の因縁は家庭環境だけではない。
2015/09/10
ケンケン
ボリュームが大きかっただけに、読みきった!という感じがとても強かったです。徐々に佐藤家の血を引き継ぐ子供たちが居なくなっていく様子に時代の流れを感じました。
2012/10/19
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