あかね空
あかね空 / 感想・レビュー
とし
山本一力さん、初読みの作家さん。京都から江戸に出てきた豆腐職人の永吉さんと、江戸の下町深川蛤町裏店でたまたま出会ったおふみちゃんの出会いから、夫婦になり、子供が出来、夫婦、親子、兄弟で様々な問題が起きそれぞれが葛藤し、家族の崩壊の危機が起こなるが、最後はおふみの死によって、様々な事が判り理解し子供たちが明日への希望を見つけだす二世代の家族の物語。 あらためて、たとえ肉親であれ、人と人とのつながりの大切さと難しさを知らされた作品かな。
2014/10/20
藤枝梅安
京都東山の農家の三男、永吉が南禅寺近くの老舗「平野屋」で修業を積み 豆腐職人として江戸に下り、深川蛤町に店(たな)を借り、「京や」を開店する所から 物語が始まる。同じ長屋に住む、おふみと所帯を持ち店を大きくしていく過程での 様々な出会いが描かれている。 登場人物の中では、永代寺に豆腐を納めている「相州屋」夫婦が大切な役割を果たす。 この夫婦には「正吉」という息子がいたが、4歳の時人さらいにさらわれ、 死んだものと諦めて、夫婦は悲しみのうちに年老い、後継ぎのいない相州屋を細々と続けている。
2009/08/21
雲國斎
再々読。すいすい読めて面白い!
2012/05/22
nabe2511
山本一力さん初読み。サイゼリヤで晩飯を食べながらめくったページが止まらない、とまらない!結局夜中の2時半まで一気に読み切ってしまいました。ページをめくるたびに夫婦の情、親子の情が時と場所を行きつ戻りつ、きめ細やかに織り出されてきます。相州屋さんと傅蔵のサイドストーリーもきれいにまとまっていましたね。遅ればせながら他の作品にもトライしてみよう(^。^)。
2017/05/31
なおみ703♪
江戸の人情物にはまってしまいそう…。前半、夫婦円満にうまく人生流れていくので、読み物としてはだるい…、と思ったが、第2部から一気に加速した。夫婦の絆、父が子供たちに伝えたいこと、母の子への愛、子から見た父と母…。解き放たれた言葉が真実でないこともある。嫌いではないけどわざと辛くあたることもある。母の愛情が重すぎることもある…。渦中においては分からなくても時を経て分かることもある。現代にも通じることが多い。家族の間に入った政五郎さん、とても粋だと思った。江戸時代は死があまりにも身近であっけないとも思った。
2018/09/09
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