陰陽師 瘤取り晴明
陰陽師 瘤取り晴明 / 感想・レビュー
えみ
陰陽師が絵物語に!陰陽師に絵を付けるとこんな感じになるのか~と楽しめた一冊。昔ばなし『こぶとりじいさん』を彷彿とさせる内容も安倍晴明と源博雅が解決に乗り出すと鬼妖怪の類もなんだか愛着が湧くお茶目さがある。まぁ彼らの時代も昔だから昔ばなしには変わりないか…。いつも文字だけで読んでいる夢枕獏さんの『陰陽師シリーズ』が色彩豊かに紙面いっぱいに広がる。奇妙奇怪、あとがきで夢枕獏さんが“村上豊さんの絵以外考えられない”と語っているように、なるほど本当だと納得のマッチ感。晴明と博雅の活躍と仲の良さはいつでも変わらず!
2022/05/09
キジネコ
宇治拾遺、瘤取りの翁に清明と博雅が絡みます。平安の雅な闇の物語。陰陽絵本、二人の作家が作り出す世界が大好物です。語る人は描く人の筆先を色っぽいと云い。読む人は、成程と手の中の御伽に呑込まれます。光と闇、明と暗。それは善と悪の対比と相似ではない。私達は闇の暗さに怯えを抱きますが その昏さの中に潜む妖こそ各々の内なる業の彩ではないかと、不図思います。抗し難く惹かれる。光の中に佇む快楽は何か知ら落ち着かず、闇の底に横たわる時の我が相貌に浮かぶ笑みを誰か知る、艶なる闇に目を凝らし耳を澄まして声を訊き、内を覗けば…
2017/01/02
さくらさくら
面白かった。『陰陽師』シリーズを読むと、平安の頃は本当に鬼等の人外のモノが都に沢山いたのかもしれない…と感じてしまう。「ゆこう」「ゆこう」
2019/05/21
ぐうぐう
『陰陽師』絵物語シリーズ第一弾。そもそも「瘤取り晴明」(こぶとりじいさん)のエピソードがいいのだが、そこに村上豊の絵が加わることで、その面白さが一気に倍増している。もののけ達による百鬼遊宴も絵になるし、瘤のある双子の爺様もまた絵に映える。それでいて、終盤には博雅の笛によってしんみりとなる場面もあり、ともかく見せ場多い。『陰陽師』の絵物語一作目として、打って付けの作品だ。
2024/05/23
Tanaka9999
短編1篇分を絵物語風に。話は面白かった。晴明が瘤をもらうために策略を巡らしているかんじ。今回は博雅をダシにしたように感じられた。挿絵の方は味わいがあってよかった。
2018/06/13
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