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龍宮

龍宮

龍宮

作家
川上弘美
出版社
文藝春秋
発売日
2002-06-27
ISBN
9784163210308
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龍宮 / 感想・レビュー

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よこたん

“妙なものにかかずらわってしまった。” 此処であって、此処ではない場所。ほの暗い水底の小さい穴を覗きこんだら、しゅるりと吸いこまれた先での日常のような。ぬめっと、ぐにゃぐにゃと、ゆらゆらとまとわりついてくる。さまよう先々には色々、いる。余りにもいるからと、驚くなかれ。其処では、一番の異形は、妙なものは、己自身なのかもしれないのだから。イカカレーラーメンやカツレツをいただいたら、そろそろ帰ろう。帰らせてください。あれれ?出口はどこだろうか。

2018/08/31

るい

わたしには合わなかった… 気持ち悪い嫌悪感が沸き上がってくるばかり。

2018/09/19

八百

フェリーの寝台で読了…この奇妙な「ゆらぎ」は果たして船なのかそれとも八つの不思議な幻想譚か。川上さんお得意の動物系魑魅魍魎のお話はときに恐ろしくときに滑稽にそしてときに愛しい存在に姿を変えて"人"に寄り添う。「龍宮」が良い、玉手箱ならぬカツレツを貪りながら十四才の少女から百歳の老婆に姿を変えるイトを縦軸に龍宮伝説を横軸にしての不思議な幾何学模様は読み手を見事に煙に巻く。「あんたは生まれて、食べて、知って、つがって、忘れて、眠って、死ぬんだよ」…罵られながら凡夫はただひたすら歩くのみ哉

2013/04/13

マサキチ黒

さみしかった。溶け合うような瞬間があったのに、瞬間はすぐに遠ざかり、すぐに人との間はあやふやになる。ずっとこの先も生きてゆくのか。こんなさみしいのに。「轟」。初期の川上さん。ほんとにこの作者好きなんだなと改めて思う。何を読んでも引き摺り込まれて意識朦朧となるまで何かされて開放される。完全無欠ではないのに完璧。これはやめられない。

2021/06/12

naminnie

再読。耐性ができたのか、読後に以前のような、ふわぁぁとした感覚はそこまでなかった。しかし、もうどこか連れて行かれるような、眠る直前のようなこの感覚は変わらない。いいなぁ、好きだなぁ〜。

2010/10/02

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