あしたのロボット
あしたのロボット / 感想・レビュー
みも
文庫化にあたり『ハル』と改題。70~90頁程度の中編5編+1篇。寂寥感・悲哀と高揚感…年代に沿い、多様な手法で多角的にヒューマノイド(ヒト型ロボット)を考察。その帰着点は正義感を有し思考する『鉄腕アトム』…科学的見地のみならず「ヒト」とは?「心」とは?といった哲学的要素も多分に含み存外に難度が高い。一篇一篇の間に、あたかも列車の連結部の様な役割を担う『WASTELAND』と題した短編が向かう方向性を示唆する。WASTELAND=荒地…人工物が荒廃し、その建造者たる人が消滅し、ロボットが綿々と命を繋ぐ世界。
2020/01/20
Aya Murakami
図書館で借りた本。 近未来でもない遠未来でもないあしたのロボットの話でした。 HALやアトムを思い描いた未来像(レトロヒューチャーともいうべきか)を思い描くことができなくなった現実が結構単刀直入に描写されていました。ここで懐かしき昭和を懐かしむのではなくポジティブに明るい明日を思い描くことの大切さを思いながら読み終わりました。
2018/07/05
みさどん
ロボットは人のためになる産業物だけれど、本や映画の世界では、謀反を起こしたり制御できないものというマイナスの結末が多い。ここにはロボットに死を組み込んだり成長がないために悲しんだり、使う側の苦しみもある。アトムに象徴されるロボットは造り手の捉え方で、紆余曲折の生涯となる。テクノロジーが発展することで、人が生き難くなるのは怖いものだと思わされた。
2020/05/12
やんやん
瀬名秀明さんは研究者ですね。そして書くための研究も物凄い! 現代~近未来の5編に 未来?のヒューマノイドのお話があいだにあります。 ロボットと人間のお話だけど 感じ良いお話と 嫌な感じの話がありました。もちろんそういう風にかかれてるんだと思います。 「亜希への扉」がお話としては好きで、「見護るものたち」は現実なんだ。未来のロボットたちがずっと動かなくなるまで働いてるのが哀しい。
2013/12/03
ophiuchi
17年前の本だけど、思ったほど古さは感じなかった。鉄腕アトムのアニメはリアルタイムで見た世代なので、共感するところが多かった。火の鳥のロボットたちも懐かしかった。
2019/11/28
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