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富士山

富士山

富士山

作家
田口ランディ
出版社
文藝春秋
発売日
2004-03-26
ISBN
9784163227405
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富士山 / 感想・レビュー

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遥かなる想い

富士山に纏わる連作短編集である。 連作を意識するあまり、正直 富士山への 帰結が強引な印象だが、文体が 心地よく 読みやすい。 各自が抱える心の闇を 丹念に描く。 富士山は明日への希望の象徴なのだろうか… どこか壊れた人々が再生を図ろうとする、 静謐な短編集だった。

2023/04/11

ちょん

ちゃんと読んでみたのがはじめては田口ランディさん。表紙から受ける イメージとは全然違う連作。もっとギャグっぽいのかな、と思ってたら繊細なお話が多くてか心に突き刺さる。「ひかりの子」では富士山登山してて、私も登りたい…とうずうず。後書きで「富士山は、不思議な存在です。美しく輝く富士山を見ると、なぜか得をした気分になる。」とあり、激しく同意。これって日本人のDNAに刻まれてる感覚なのかなぁ(^ω^)

2020/09/03

ぬらりひょん

お初の作家さんです。どれも個性的で奇抜な(読者を寄せ付けない)装丁と変な名前(男か女か、はたまた日本人か?)のせいで、これまでずっと敬遠してきました。でも意外におもしろかった。食わず嫌いはいけませんね。あとがきの言葉に、納得しました。富士山は日本人にとって特別な存在なんですね。たとえごみの山だろうとも。

2014/06/25

こみっくま🍏OTONA JAM’S

日本人が心の拠り所とする不思議な存在・富士山に因んだ連作短編集、4編。『青い峰』『樹海』『ジャミラ』『ひかりの子』最初の数ページこそなんじゃこりゃ!と思ったがぐいぐい引き込まれた。唯一読んだ小説・コンセントと同じく少しグロい描写があるがどの登場人物もすごく必死で「自分」を追い求めていて感情移入してしまう。エッセイでも感じたが田口さんの文章には何か光るフレーズが必ずあり読んでいてたまらずに嬉しい。一番好きなのは最後の『ひかりの子』。軽い気持ちで人工中絶をする少女達に心を傷める看護師の思いが切々と伝わる。

にし

富士山にまつわる四つの短編集。短編それぞれ当時の時事ネタみたいな内容で面白いですが最後の「ひかりの子」は印象深い。全編に渡り「富士山」という大きな自然と対峙した時、人は心まで丸裸にされて、中でくすぶっていた悩みや恐れ怒りといった負の感情から解き放たれて、許される。みたいな内容もイイナと思う。日本の美しい象徴「富士山」田口さんもきっと大好きなんだろうという思いが伝わる一冊でした。 私も富士山に行きたいな。

2013/07/04

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