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雲雀

雲雀

雲雀

作家
佐藤亜紀
出版社
文藝春秋
発売日
2004-03-24
ISBN
9784163227504
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雲雀 / 感想・レビュー

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マッピー

長篇小説『天使』のスピンオフ短編集。第一次大戦から第二次大戦の間の、ロシア、オーストリア、チェコ、ユーゴなどの殺伐とした世界を描きながら、何かふと温かいものを感じられる作品群。長編があってこその短編ではあるけれど、『天使』よりこちらの『雲雀』の方が好きだな。ジェルジュが鳥籠から逃げ出した雲雀のように、遠く高く飛んで行けますように。彼の幸せを祈らずにはいられない。

2023/03/03

三柴ゆよし

長篇『天使』の続篇というよりは、読者により鮮明な世界像を与えるための短篇集。主人公ジェルジュの誕生前夜や大戦後の行方が描かれ、ヨヴァンやディートリヒシュタインとの因縁にも留保つきでケリがつく。そのため『天使』を読んだ人はこれを読まないと絶対に損をする。本書を読んで感じるのは、『天使』ではジェルジュの周辺に現われては消えしていた女性たちの存在がクローズアップされていることで、特に「猟犬」において負傷したジェルジュを匿った女性たちの屋敷には、彼の行動規範を考えるうえで非常に重要なものが隠されているように思う。

2012/08/17

mejiro

歴史物だと思ったら超能力が出てきて驚いたけど、世界観に合っていて違和感がなかった。中欧の陰と優美、登場人物の魅力とストーリーの痛快さが上手く組み合わさっていて楽しめた。スマートでリズムのよい文章で読み心地よかった。

2014/07/12

彩也

親父も親父なら、息子も息子だなぁ。番外編というよりも、「天使」と「雲雀」は二つでひとつの作品かな。天使はかくして、雲雀になった。

2011/03/10

豊中 平八郎

よくできた料理を食べて「おいしかった!」と言うように単純に「おもしろかった」というのが感想。ただ、ここに凝らされている技巧だったりとか、繊細な細工を「ほほうっ」と味わうには私では役者不足。そこのところが分かるともっと「味わえる」んだろうな。と思わせた。例えば戦間期のヨーロッパの細かい政治状況や地理などについての知識があるとよかったのになぁ等

2010/08/23

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