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イデアの洞窟

イデアの洞窟

イデアの洞窟

作家
ホセ・カルロス・ソモザ
風間賢二
出版社
文藝春秋
発売日
2004-07-21
ISBN
9784163231907
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イデアの洞窟 / 感想・レビュー

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拓也 ◆mOrYeBoQbw

奇想長篇。アンチミステリー。メタフィクション。ギリシア時代の翻訳文と、翻訳者による訳注で二つの物語が語られる小説ですね。手法はボルヘスやナボコフ、コルタサルからの影響が強く、逆に彼らの作品に慣れているとサクサク読み進められる一冊。”ギリシア時代の登場人物が翻訳者に話しかけてくる”など、メタフィクション初体験の読者には驚きの展開が続きますがw、ギリシア時代も現代もストーリーは明解でわかりやすく、むしろ20世紀のメタフィクションよりは入門に丁度かもしれません(・ω・)ノシ

2017/09/22

紅はこべ

舞台は古代ギリシャ。プラトンが登場する。ナボコフの『青白い炎』の流れを汲むミステリらしいということで、難解なのは覚悟したが、意外と読み易かった。あるテキストに加えられた注釈が新たな物語を生むというタイプ。この手の小説は好きだ。

2008/08/05

きゅー

「イデアの洞窟」とそれを翻訳する「私」という二重の枠構造になっていおり、「私」は物語中のあらゆるメタファーに意味を見出そうとし、解釈の縺れた糸に絡め取られていく。脚注が本文を侵食していくメタフィクション的趣向ということで、『紙葉の家』、『中二階』等を彷彿とさせたが、読み終えてみると物足らなさが残る。最後の12章でどんな仕掛が待っているのかと楽しみにしていた分、これか……とがっかりしてしまった。あとがきでも書かれているようにミステリ、メタフィクションと思うより、SFと思って読み始めるといいかもしれない。

2013/07/04

maimai

★★★★ これ好き。かなりねじくれたメタフィクション。というかアンチメタフィクション。「メタフィクション」に「アンチ」がついた時点でそれは不可避的に「メタフィクション」なのだが。

2011/10/18

聖月

▲当時の職業として、詩人だとか、哲学者だとか出てくるのだが、主人公ソクラテスの職業は解読者。ふ~ん、当時はそんな職業概念があったのかと思って読んでいると、どうやら解読者の仕事は謎(エニグマ)の解読であり・・・な~んだ、探偵じゃないか。最初に内臓を喰らわれた青年の死体が見つかり、その後幾重にも連なる犠牲者たちの出現。その真相や如何に、と思って読んでいると、翻訳者による脚注が、段々本文を侵食しはじめ・・・メタの中でも形而上メタに近いのかな。

2005/10/15

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