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退廃姉妹

退廃姉妹

退廃姉妹

作家
島田雅彦
出版社
文藝春秋
発売日
2005-08-05
ISBN
9784163241708
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退廃姉妹 / 感想・レビュー

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いくら

結構重い話です。戦後の混沌のなか、生きるためにお嬢様が我が身を窶していく話だけど、湿っぽさは一切なく、下品にも陳腐にもならず、どこか現実をあざ笑うような魅力のある作品だった。匙加減の絶妙さ、まさに神業です。

2013/07/10

あかり

今年読んだ中でトップスリーに入るくらい、この本が好き。戦時後の女性たちの生き方に焦点を当てた物語って初めてで新鮮だった。どんな人にも戦時中に苦しんだ人の血が少なからず混じっているって感じさせてくれるね。でもエピローグって、ないと物足りなくて、あると煩わしいものだね。

2015/07/28

アヤ

(勝手に)『悪貨』ドラマ化記念☆島田雅彦キャンペーン。『徒然王子』が結構好きなのに島田ファンからは評価が低く、高評価の『退廃姉妹』に挑戦。戦後の若い娘さんが自分が売れる価値のあるもの=売春とは凄まじい時代だ。それにしても雲母だの青竹だのロマンチックに書きすぎだろwww

2014/12/19

くれの

あまり語られようとしなかった戦後の薄暗い世界をコミカルに照らした物語です。健気な彼女らがいかにも退廃的で自虐的で刹那的でその生き方に遣る瀬なく感じていたのも束の間、その後の真摯に生きる姿に勇気を得た感があります。

2014/08/08

amanon

表紙に掲載された言葉とタイトルからして、さぞかしどん詰まりの人生が描かれるのだろうなと思って読んでいたが、確かに最初のほうこそ、主人公の姉妹は四面楚歌になるものの、二人の(特に妹久美子の)バイタリティによって、その閉塞状態を打ち破っていく姿には、ある種の清々しさを覚える。また、姉有希子と特攻帰りの元慶大生後藤との逃避行には、少なからずハラハラさせられた。後藤が有希子に宛てた手紙に少なからず胸が熱くなったのは、僕だけではあるまい。

2010/02/04

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