さよなら、コンスタンス
さよなら、コンスタンス / 感想・レビュー
KAZOO
1985年から2002年にかけて書かれた三部作の最期の作品です。探偵小説とは言っているものの、レイ・ブラッドベリご本人を主人公にした冒険小説のような印象を受けました。レイ・ブラッドベリファンにとっては少しタイプが異なるので読む人は少ないのかもしれません。私は別の観点から楽しめました。
2015/02/15
MICK KICHI
ブラッドベリ自身を投影した作家が主人公のミステリー3部作の完結編。1960年代のハリウッドを舞台に、美と背徳を象徴する伝説の女優コンスタンスの失踪を追います。異様だけれど、どこか愛着を感じる登場人物が次々に現れ、映画の都をノワールに染めます。 主人公の愛すべき弱虫キャラと無骨で心優しい刑事のコンビが中々楽しませてくれます。
2018/06/29
紅はこべ
舞台は60年代ハリウッド。語り手の小説家の元に旧知の女優コンスタンスが訪れる。何者かから、60年前の電話帳と捨てた筈の住所録が送られてきたという。中の人名は殆どが死者、また住所録の幾つかの人名に十字架の印が。この2冊を死者の書になぞらえ、コンスタンスは姿を消す。小説家は友人の刑事と共に十字架の印のついた名の主を訪ねて回るが、彼らは次々に死んでゆく…。ハードボイルドと銘打っているが、やはりブラッドベリ、幻想とファンタジーと詩の世界。
2010/02/17
稽子
★★★ 「死ぬときはひとりぼっち」「黄泉からの旅人」に継ぐ三部作の第三作らしい。ストーリーではなく、ブラッドベリの文章の妙技を楽しむタイプの小説。意味がわからないけど、なんか好き。それがブラッドベリ。
2022/09/05
ふゆ
初めて出会った時からレイ・ブラッドベリは私に手厳しい。スピード感と単語、翻弄される感じはもう、さすがとしか言いようがないです。忘れ去られたコンスタンス、残された電話帳、優しく若いブラッドベリが彼女を探して古いハリウッドを巡る。女優の小さな足跡を辿れば、風変わりな愛すべき人に出会う妙。読書会の課題テキストがレイ・ブラッドベリだったのですが参加できず、未練がましく他の本など読みました。表紙がかっこいい。
2022/11/23
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