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伯林蝋人形館

伯林蝋人形館

伯林蝋人形館

作家
皆川博子
出版社
文藝春秋
発売日
2006-08-01
ISBN
9784163252100
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伯林蝋人形館 / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

蝋人形の異様な美。その美に惹かれるならば、心を虚無という空洞に侵された、美貌の青年にあらがうことができようか。柩に納められた瓜二つの蝋人形。死に近いのはどちら?壁に吊された幾体もの蝋人形は、特権と引き替えに私の生を恋を希望を語り尽くせと囁く。皆川さん追って江戸吉原『恋紅』から第一次大戦後のベルリンへ。虚実混在のストーリー追うだけで精一杯の初読。これを最初から恋物語として読める方有れば問答無用で尊敬するぞ、私。《書簡》で解かれる謎と物語が、再読でやっと腑に落ちる。苦戦しつつ今年も追います皆川博子さん。

2012/01/01

藤月はな(灯れ松明の火)

怒涛の時代の変化に翻弄され、無垢故に内側に虚無を抱えることになった者達の生き様に息を呑まずにはいられませんでした。読むにつれ、登場人物の関係性が徐々に明らかになることに驚き、関係性を頭で整理しつつも様々な真実の解釈に翻弄された気分になりました。この作品や「死の泉」、他のミステリー作品を読んでも感じることは「真実は結局、見たいと思う者に合わせて無数にできる」ということです。

2011/10/26

えも

戦前のドイツで繰り広げられる6人の男女の物語。退廃的で享楽的で、もの哀しいドラマがもつれあって、最後に真相が明らかになる▼各人が主人公の短編のあと「作者解説」と題された彼らの生涯の解説が続き、そしてこの物語そのものが小説中に出てくる同名小説の中身という、皆川さんらしい手の込んだ構成▼一つひとつの描写も映像的で、引き込まれます。

2018/10/12

青蓮

濃厚で重厚な皆川ワールド全開。激動の時代、戦時下のドイツを舞台に6人の人物が縺れあった糸のように複雑に較差し、翻弄されていく。読みはじめは訳が解らず、ついて行くのが大変だったけれど、読み進めていくにつれ、一つ一つパズルのピースが揃うように、やがて事件の真相が1枚の絵となって浮かびあがる。無垢と虚無のカタルシス。しかし、その絵ももしかすると虚実なのかもしれない。ふとした瞬間に濃い霧に紛れてしまうように。337頁、皆川ワールドに酔いしれました。

2013/08/02

コス

難解…の一言につきますな(T_T) 第一次世界大戦からのドイツが舞台ですが、歴史要素が強いので背景も一緒に理解しないとさらに解らなくなります。 6人の登場人物が出てきますが、段々と繋がりが分かってきます。この6人が基本で話が進んで行きます(^.^) 内容としては混乱期の作品なので、暗い感じになっていますね… ただ、一度では理解するのが難しい作品ですね(;´д`)

2012/07/13

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