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藤沢周平 未刊行初期短篇

藤沢周平 未刊行初期短篇

藤沢周平 未刊行初期短篇

作家
藤沢周平
出版社
文藝春秋
発売日
2006-11-09
ISBN
9784163255200
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藤沢周平 未刊行初期短篇 / 感想・レビュー

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キムチ

少しずつ・・立て続け読みは酷く疲れる。まごう無き藤沢節。でも何か違う。読み辛い、文がリズムを奏でず、読みては頑張れども乗りにくい。お腹一杯!同じ具材のお握りを10個立て続けに食べた様な・・荒削り鉛筆の様な。題材は多岐に渡り、エジプトの支配者の物語すらある(ちょっと頂けなかったけど)しかし、藤沢ファンとして、氏の逸材ぶりを如何なく感じ入れ、余りある。個人的に好きな忍法もの、血糊べったりの剣が浮かぶような場面もの、小藩故の悲劇もの、市井の長屋の悲恋もの、年増が嘆く人生節など等。これまた拾いもの読書であった。

2017/01/27

タツ フカガワ

再読。死後に発見された無名時代14話の短編集。1964年に書かれた「上意討ち」は庄内藩の乗っ取りを企む藩主の弟長門守をめぐるお家騒動に剣士の活躍(秘太刀「隻眼崩し」も登場)を絡めた一編。12年後、このお家騒動は「長門守の陰謀」へと形を変えるのですが、藤沢さん熟練の足跡がわかって興味深く読みました。

2022/01/04

AICHAN

図書館本。忍者ものまで入っているデビュー前の短編14編。読んでみて、例えば「ああ、この作品から『黒い縄』に発展させたのだな」とか「これは『闇の傀儡師』に生かされているな」「『ただ一撃』の元ネタはこれだったか」というように、デビューしてからの藤沢作品の元になったと思われる作品があったり、デビュー後の藤沢作品にきらめくエッセンスがそこここに光る短編が並ぶ。どれほどの質のものか少し危ぶんだが、そんな心配はなく、どの短編にも惹き込まれた。

2018/10/17

ろし

【海坂藩城下町読書の集い】参加中昭和37年から39年の作品14編武家、忍者、市井とバラエティーです。やや物足りなさを感じるものや、男女のストーリーが今より少し直接的な表現のように思いますが、しっとりとした文章や、情景描写の美しさには、感じ入るものがあります。この時期には長女の誕生と妻の死という、大きな出来事があったのだと解説で知ると、感慨深い気持ちになります。

2016/12/30

ひ ろ

大好きな藤沢周平のデビュー前の作品14篇が収められた、俺にとって宝物のような作品集。後の老成した作とは打って変わり、若書き(解説より)とも言える稚拙な部分もあるが、そこがまたこの作品集の貴重なところ。先の妻をガンで亡くす前後の作ばかりで、解説に「書かずには精神を保てなかったのであろう」とあるように、背景を重ね合わせて再読すると胸をえぐるものがある。 後の独特の爽やかな読了感の作品が生まれるまで、ここから約20年を要したわけだ。巻末の解説でまで涙ぐんだのは初めてです。

2012/09/01

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