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海坂藩大全 下

海坂藩大全 下

海坂藩大全 下

作家
藤沢周平
出版社
文藝春秋
発売日
2007-01-15
ISBN
9784163255804
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海坂藩大全 下 / 感想・レビュー

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ふじさん

藤沢周平の葬儀で、井上ひさしが読み上げた弔辞のタイトルが「海坂藩に感謝」でも分かるように、海坂藩は架空の藩だが、彼の作品では大事な場所だ。本作は、その海坂ものの短編を収録した作品。静かな木からの3作「岡安家の犬」「静かな木」「偉丈夫」は、最晩年の作品で渋く趣きのある作品。「梅薫る」の江口の隠された真実に武士の潔さと優しさに心が痛む。「泣くな、けい」の主に対するけいの献身的な働きが泣かせる。「泣く母」は、最後のシーンが圧巻。「山桜」「花のあと」は、何度読んでも新たな感動が。読者の心に沁み込む作品集に脱帽。

2022/08/19

matsu04

海坂藩モノの短編11編。「梅薫る」「泣くな、けい」「鷦鷯」。いずれも胸が熱くなる、心が洗われる。「泣く母」も何とも素晴らしい。よくぞ書いてくれたと心底感謝したい。「切腹」もいいし「花のあと」も面白い。「静かな木」も深い余韻が残る。いずれも短編とは思えぬ秀作ぞろい、これぞ藤沢周平、文句なしである。(再読)

2022/12/26

AN

イベント[海坂藩城下町 第8回読書の集い「冬」]で読んだ。目当ての「山桜」が入っていたので手に取ったが、「花のあと」まで入っていて驚いた。短編全11作品が入っている。著者の作品展らしく自然描写が美しく、穏やかで余韻を残す終わり方が嬉しい。「泣くな、けい」はどうも理解しづらい作品だった。主人から手込めにされた奉公人が紆余曲折を経てその家の嫁として迎えられることになるのだが、江戸時代の奉公人はこの様な扱いでも良いのかな。最終的に雇い主が責任を取ったのでよしとするの・・・かな。

2023/01/14

あまみ

【上巻下巻とも同じレビューです】海坂藩が舞台またはゆかりのある人が登場する短編集。ユーモラスなものも、夫婦愛親子愛武士のけじめいろいろな作品が収められています。藤沢周平さんの小説は好きでよく読んでいます。この「海坂藩大全」を見つけて、だいたい読んだ作品だろうなと思いましたがすぐ買いました。読んでいるうち思い出したりして多くは再読でしたが、面白かった。下巻の「泣く母」が特に良かった。250を超える藤沢作品のうち、海坂ものは長編9,短編22(解説より)ある。うち21篇が大全に収録されている。

2022/04/29

松風

【イベント寒梅忌】上巻より一捻りある短編が集められている。有名な「花のあと」のほか、「報復」「切腹」がお気に入り。「静かな木」は「残日録」、「偉丈夫」は「たそがれ」に通ずる雰囲気。「岡安家の犬」…それでいいのか?編集後記の「海坂モノ」の定義についても興味深く読んだ。また鶴岡へ行きたくなった。

2014/01/25

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