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風化する女

風化する女

風化する女

作家
木村紅美
出版社
文藝春秋
発売日
2007-04-01
ISBN
9784163258003
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風化する女 / 感想・レビュー

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野のこ

生きてても死んでしまっても無反応な社員。遺品整理でちらりと見えてる表向きと違う一面。れい子さんならやりそうなことは、唯一ざわめつかせそうな予感でした。私のなかに住みついて離れないと思う桃ちゃんがいてくれて救われた気分です。「海行き」は自分の青春時代を思いだす。私も下北沢で友達とケーキ食べたり古着あさったりしたなぁとしみじみ。10年以上たったけど澄ちゃんたちみたいに服装や体型がかわっても、気持ちは年をとらないままなんかなぁ。譲くん監督による「脳みそにきのこが生えてくる役」は謎でした

2017/11/13

スノーマン

二編とも、寂しさを感じる作品だった。『寂しい』ってネガティヴな言葉ではあるけれど、もしも寂しい気持ちがなくなったら、人間ておかしいのではないかとも思う。好きな仕事をしていても、家族に囲まれていても、友達に囲まれていても、眺める月に満ち欠けがあるように感情も揺らぐのが当たり前。回想と現在とか入り混じり、少し読みにくい部分もあったけど、好きな作風。

2016/12/05

ゆうこ

★あぁーやってしまった。さて続きを読もうかなと手に取ったらもう読み終わっていたという・・・。そのくらい終わりがあっさりしていた。風化する女では最後までなにがいいたいのか分からなかった。主人公に焦点をあてるのか、れい子さんに焦点をあてているのか分からない。海行きでは自分の20代前半の想いがよみがえってきた。好感。今後読むか迷う作家さんだなぁ。

2012/03/14

かりさ

「風化する女」、「海行き」、ともに都会での現実的な日常生活から回想とともに旅する。孤独死した会社の先輩であるれい子さんを辿る旅、回想を交えての「わたし」の彼女への思いはとても温かく救われる。一方で孤独、死、という言葉がポトンと心に重しが落ちて、また風化というタイトルも切実で。「海行き」の女友達2人が男友達に会いに田舎へ帰る旅。学生時代の思い出を語りながら思いながらの場面がとても良い。私の昔を知る友達に会いたくなってしまったなぁ。ちゃんと私を覚えていてくれているだろうか、なんてしんみりしてしまった。

2009/07/10

猫のゆり

同時収録の「海行き」の、女二人、男一人の関係がよかったなぁ。旅情と郷愁に浸りつつ、でも戻りたくはないっていう、今の気持ちにも共感しきりだった。とても味わい深い作品。

2009/04/08

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