幻夢
幻夢 / 感想・レビュー
sibafu
短編集。タイトルの「幻夢」は収められている短編の内の一つの名前だけど、全体的にほんのりファンタジーとか夢っぽさがある。藤沢周さんの他の作品もそういうものが多い。ほぼ全てオチのないような話だったとおもう。サスペンスではあるけど、ミステリーっぽく書いておきながら読み終えると全然ミステリーではなかったり。8篇の内の「袋」が個人的に衝撃的で、素晴らしかった。この短い話を読むためだけにでも、この一冊は読んでよかった。容れ物の中の容れ物。良い意味で期待を裏切られて、それが快感でまた期待してしまう。スパイラル。
2012/11/20
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安定感ある。「幻夢」と「袋」がいいと思う。ただ昔の作風のほうが、ヒリヒリした男の苛立ちが全面に出ているような短編のほうが、好きだ。
2014/08/18
みかん
八つの短篇集。 文学的表現が強いのに地味にツッコミ?みたいなのがちょこちょこあって笑っちゃった。内容はどれも独特で不思議な感覚。著者がどんな人なのか気になった。著者の他の本も読んでみる。 個人的には「キューブ7」(カラオケ) 「袋」(履歴書)が面白かった
2019/10/02
Accoco
氏のオレンジ・アンド・タールを読むついでに借りてみた短編集。私は、相変わらず短編が好き。軽いものから、文学的なもの、幽玄的なもの、こだわりのもの、作者の力量の幅広さと奥深さが感じらた。殿方小説家の中では好きなタッチかも。あんまり量を読んでないのであくまでも個人的メモレベルだが、道尾秀介氏の感じと似てるかな? 以下、タイトル(メモ)→迦桜羅(カラス話)/タケヤブヤケタ(不倫がばれる話)/キューブ7(カラオケbox)/徒然なる侵入(殺人現場に居合わせた)/斬心(ボケ剣道)/袋(履歴書と袋)/形代(赤子が川に)
2012/02/28
とろろ
短編集。 鴉の視点で描かれた『迦桜羅』やカラオケ店の奇妙な話『キューブ7』ありえない『徒然なる侵入』表題作の『幻夢』が面白かった。日常と奇妙なものが入り交じった作風は好きだが、読むには集中力がいる作品だった。
2012/12/16
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