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荒地の恋

荒地の恋

荒地の恋

作家
ねじめ正一
出版社
文藝春秋
発売日
2007-09-26
ISBN
9784163263502
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荒地の恋 / 感想・レビュー

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ばう

★★★詩人北村太郎が友人田村隆一の妻と出会い、愛し合う頃からのお話。凄い修羅場だというのが率直な感想です。「珈琲とエクレアと詩人」に出てくる北村は穏やかな人で、とても友人の妻と関係したり、若い恋人ができたりする人には見えなかったけれど、この本の中では生身の男を感じます。そんな恋やめちまえばいいのにと思うけれど、当事者達はもう其処から逃れられなくなっている、不毛の恋です。私にはちょっと理解できないけれど、きっと悔いのない人生だったんだろうな。さて次は田村和子さん寄りの視点から描かれた「いちべついらい」を。

2015/10/03

lonesome

北村太郎に田村隆一、加島祥造、鮎川信夫。以前から好きな田村隆一以外の三人は翻訳家として知っていたけど、荒地の同人としてこんなにも強い繋がりがあったとは知らなかった。この小説は北村太郎が主人公だけれど、まるで北村太郎が書いた私小説かと思うほどで、妻に好きな女が出来たと告げる場面は檀一雄の姿と重なった。思うに、北村太郎は事細かに自分のことを誰かに打ち明ける人とは思えないからきっと日記が残されていたのだろうと想像する。ならば、雰囲気の変わる後半部分は、あこの存在自体が創作であっても北村太郎らしいと感じる。

2016/02/22

かふ

WOWOWでオリジナル・ドラマ『荒地の恋』を観て興味を持って図書館で単行本を借りた。ドラマとの違いは登場人物名が実名なのである。すべてかどうかはわからないが「荒地」の詩人の名はそうであるみたい。 『荒地』の時代が終焉していく。小説では北村太郎の死で終わっていく。彼が主役なんで仕方がないのだが、最後の恋人である阿子とのぐだぐだがイメージダウンだった。さらに阿子の回想で終わるのだから、阿子がこの物語を書いたという感じである。

2022/10/13

はるま

1.5日で読了 ほぼ一気読み 初読作家ではありませんが、といっても記憶に残ってません 読んだ本は第101回直木賞受賞作の高円寺純情物語 本作はブックオフあるあるだと思うけど、とある100円文庫購入すると挟まっていた新刊の文庫のPRリーフレットに載ってて、図書館の蔵書で借りた 実際の詩人北村太郎をモチーフにした男女のドロドロ愛憎物語で、複雑に入り組んだ男女の絡みが濃い内容 かつてWOWOWで連続ドラマ化されてて、W主演で豊悦と鈴木京香ってことはかなり艶めかしい濃厚なシーンがあっただろうなぁと妄想天国です

2020/04/25

夕暮

興味深く読んだ。Wowowのドラマは若干美化された部分もあるけど、かなり忠実。田村隆一は松重さんではない気がするが(^^;; ねじめさんがどのくらいどんか取材の元にも書かれたのか知りたい。北村さんの詩をちゃんと読みたい。「いちべついらい」のなかで田村明子さんのモデルの和子さんがこの本を読んで自分の描かれ方に不満だったようだが、本当でも偽りでもこんなプライベートなこと書かれるのは嫌だろうな。北村さんの二番目の奥さん治子さんの人生はどうだったのか気になる。

2018/11/30

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