ぶるうらんど
ぶるうらんど / 感想・レビュー
syaori
舞台となるブルーランドは死後の世界らしいのですが、小説家・上野孝次は以前と変わらない生活を営んでいるし、まだまだ小説を書くという欲を持っているしで、確かに「死ぬ必要が本当にあったのかねえ」と言いたくなるほど。違っているのは時間も目的もないことで、平和に暮らす彼らの少しとぼけた会話もあいまって何て軽やかで明るい彼岸。ここより上や下の階層も存在するようで、これはだんだん業を落としてゆく魂の浄化の過程なのかと考えたのですが、上野氏はいつだって妻に導かれていて、結局は芸術家とミューズの物語だったのかもしれません。
2018/02/16
作楽
小説としては、最初は会話だけで進むとか、いろいろ・・・。芸術家さんが書かれているようですね。あの世を垣間見るのは、楽しかったです。せっかくだから、もっと背景を書いて欲しいなぁ・・・と思ってしまいました。
2015/03/30
まゆ
「信号がないのに事故が起こらない交差点」で思い出したのはオーストラリアの小さな町です。あそこも信号がなくゆっくりとした時間が流れていて、留学で来ていた私にとっては夢のような現実味のない世界だったな… 伊坂さんの週末のフールに似ているような感じがしました。 不思議な世界感、人とのつながりを感じたい人は是非。
2011/12/07
メルセ・ひすい
15-51 電車でるんるん。。夢想 時間製造機! 短編4 初出誌「文學界」‘0709 アリスのアナ ‘08.01 CHANELの女‘08.02 聖フランチェスコ 長年連れ添った夫婦の何気ない会話から始まって、めくるめく迷宮世界へ。誰も見たことがない、永遠の愛の物語。書き手をも惑わせた、変幻自在の4連作。驚異の絵画的イマジネーションが炸裂する、著者初の小説。
2011/09/06
コキア
此岸と彼岸。 死後の世界のシュミレーション。 夢の中のような、催眠術のような、曼荼羅的陶酔した世界。 過去も未来もなく、朝も夜もない、欲望も執着もからも 解脱したユートピアのような、ただただ安らかな世界。 魂は時空を超える。アカシックレコード。 あちらの世界でわたしはどんな体験をするのだろうか? 死にたくなったらこの本を読んだらいい。 購入しておきたい本!
2021/04/19
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