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いのちなりけり

いのちなりけり

いのちなりけり

作家
葉室麟
出版社
文藝春秋
発売日
2008-08-07
ISBN
9784163272801
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いのちなりけり / 感想・レビュー

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nyaoko

葉室麟の描く武士って、どうしてこんなに純粋で、真っ直ぐで、眩しいのだろう。それだけに、氏が亡くなられた事が本当に悔やまれます。こんな時代に生まれなければ、蔵人はもっと生き易く、傷つく事もなかったかもしれない。でも、愛する人とは、咲弥とは出会えなかったかもしれない。藩政や陰謀、妬みや嫉みの入り混じった権力の争い。そんな血なまぐさい世界が続く話を、一瞬で春の甘い匂いに変えたこの2人の出会い。「いのちなりけり」愛があるからこそ、たった一つの約束を胸に生きていける。そして命をかけられる。

2018/03/24

ひらちゃん

【追悼】「春ごとに花のさかりはありなめど あひ見むことはいのちなりけり」春が来る度に花のさかりはあるだろうけれど、それを見るのは命があっての事だ。藩政や上意討ちに翻弄された雨宮蔵人が、やっと咲弥の元でこの歌を口にした時、熱いものが込み上げた。この真っ直ぐな武士には、なんと生きづらい世だったのだろう。やっと会えた。永く遠い月日。妻を恋し続けた男の一途さが清々しい。

2018/02/08

文庫フリーク@灯れ松明の火

浅い川は水音立てて流れ、静かに流れる河は深い。浅学の私でも、物語の基礎を成す歴史知識の深さ感じます『天地は命を育むもの、されば命に仕えればよい』『命を受けとめる』『七息思案』『この世に生きた証として遺すものは心』『雅とはひとの心を慈しむことではあるまいか』『伝えたい事があり、聞きたい事があるのを恋というのでしょう』『あの日の出会いこそが命というものではなかったか』『忍ぶ恋こそ至極の恋と存じ候』初夜の寝所で『これこそ自身の心だと思われる和歌を教えて頂きたい』と言う妻・咲弥。答えられぬ蔵人。→続

2011/08/21

ともくん

惚れた女のために、ひとりの武士が十七年に渡って、求め続けた答えとは....... 幕府と朝廷に翻弄され、引き裂かれてしまったふたりの行方は、どうなってしまうのか。 いのちとは、男とはどうあるべきかを問うた作品。

2020/08/23

ぶんこ

好みではない武士の世界の切った張ったでしたが、底には1人の男の深い恋心があったので、読み続けることができました。蔵人の、人にどのように思われるかと気にしない強さ、想いの強さに心震えました。咲弥の賢さも素晴らしいが、蔵人のことを考えると色々考えさせられる。愛する人への一途な気持ちに感嘆しつつも、無駄とも思える生き死にの世界を読むのは辛かったです。

2018/02/24

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