悼む人
悼む人 / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
直木賞】最初は友人の死の目撃。その後3人が主人公として交代で現れる。死亡現場で悼む人。誰が、何の目的で悼むのか。人の生死をゆっくりと描写する。推理小説のようでもあり、家族小説のようでもある。ガンに関する参考文献を多数記載している。
2013/12/20
たー
どう評するべきか迷う本。静人の行動は理解できないし(ただの自分勝手としか思えない)、彼に接した人々が皆善人になっていく出来すぎた展開もどうかと…。が、静人の家族たちの温かさは良いなぁと。いろいろ考えさせられる本ではある。
2010/05/19
文庫フリーク@灯れ松明の火
『お墓に参ること・仏壇に線香を上げること・経を唱え手を合わせることだけでは無く、心の内で、ふとその人のことを思い出すことが供養になる』早逝・やりきれない死を迎えた方も多い私にとって、以前読んだ本の一文にどれだけ救われたことか。田舎ゆえ忌中払いの席に残ることも多々ある。大往生を迎えた方の席は概して明るい。【誰に愛されていましたか。誰を愛していたでしょう。どんなことで人に感謝されたことがあったでしょう】故人の思い出話に花が咲くことが【悼む】ことなのだろう。巻末、巡子に向けられた→続く
2010/09/21
おしゃべりメガネ
直木賞受賞作品です。とにかく‘重い’です。最初から最後まで、ずっと‘重たかった’です。しかし、読むのがイヤになるということはなく、1文1行、そして1文字が全て意味のあることにように思え、夢中とはちがうある意味、使命感のようなものに支配され、読み進めていきました。かつて、これほどまでに「生」に対して、実直に書き込まれた作品はないのではと。面白い、面白くないとか感動する、しないとかではない、別次元の読書領域になっていると思います。「悼む」ことで救われるのは、果たして誰なのか。永遠のテーマかもしれませんね。
2009/02/07
とん大西
…是非はあろうが、悼む、ただただ悼む。不慮の事故で亡くなった人を、流浪の果てに殺められた女性を、老いに疲弊した夫婦を、哀しくも愛する人を死に至らしめた人さえも。悼むことで救われる…のだろう。静人の旅をみつめる彼らも救われた。塊のような何かを遺された読み心地、それは悲しいのか癒されたのか。脳裏をよぎるのは子どものことだったり、疎遠になってしまった旧友のことだったり、そして自身のことだったり。『誰を愛し、誰に愛されたか』。…悲しみ、苦さ、憂い、そして喜悦。人生に思いを馳せてしまいます。
2022/08/27
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