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太陽の坐る場所

太陽の坐る場所

太陽の坐る場所

作家
辻村深月
出版社
文藝春秋
発売日
2008-12-15
ISBN
9784163277202
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太陽の坐る場所 / 感想・レビュー

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takaC

ズルいなぁ。元い、上手いなぁ。この生臭さはリアルでエグい。

2011/11/12

エンブレムT

心に直接ザラリとした何かが触れてきたような感じがした。28歳。10年目のクラス会。10年という年月は、教室にあった確かな悪意を思い出として語るには近すぎる時間。でも、全く違う世界を築き上げるに足る時間でもある。何をもって勝ち組と負け組にわかれるのかは、その人が抱えたコンプレックスと見つめている先にあるものによって違うのだろう。こんなにも『自分は特別な存在なのだ』と思いたがってる人ばかりが語り手なのにも関わらず、ちゃんと光が射し込んでくるのはすごい。リアルな毒気のため眉間にシワ。それでも読後感は悪くない。

2011/03/02

文庫フリーク@灯れ松明の火

近藤史恵さん『サヴァイヴ』読了後なので、どの登場人物も《呪い》背負って、生き延びる為に自分自身と闘い、もがいているよう見える。過去の行為は、記憶は、変えられない。背負ったままで、且つ縛られず新たな一歩を踏み出す――自分の殻を破ることなのか。《とらわれるな》は『ジョーカーゲーム』結城中佐の名セリフ。一番読後感が良かったのは出席番号一番。嘘で固めた虚勢、二十七番でさえ縋るのはばあちゃん。自意識過剰で、自分は大人だと思っている高校時代は、振り返れば痛さに満ちている。現実にありえそうな物語なので→続く

2012/01/22

七色一味

読破。キョウコを巡る、それぞれに過去に傷を持った人々の──妬みや嫉みや、光や影といった思惑が交錯する物語。 天の岩戸の前で踊った天鈿女命がキョウコ、そして、天の岩戸の奥に引きこもったのが、過去の呪縛に囚われ続けたクラスメイト達。 過去の呪縛から解き放たれた人から順番に、舞台上手へ──キョウコが立つ側へと進んでいく──。なんだか読んでいて、そんな感じがしました。

2012/01/23

くろり - しろくろりちよ

28歳、高校卒業から10年目のクラス会。女優になったキョウコを通して蘇る記憶。少女たちは、幼いながらも大人になっても変わらない「悪意」をお互いに抱えながら生きている。嫉妬や自尊心、計算高い目論見…そういう悪意って、大なり小なり誰しも抱えてるものだよなぁ…。自分の悪意に当てられて、光がより輝いて見えるように「正しいものは強いなぁ」「太陽は変わらず坐ってるんだなぁ」って気付かされる。最後に女優キョウコの正体が明かされるのだけれど、悪意だけでも十分濃かったので、人物把握に混乱を来すこれは、なくてもよかったかも。

2011/03/07

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