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金魚生活

金魚生活

金魚生活

作家
楊逸
出版社
文藝春秋
発売日
2009-01-12
ISBN
9784163278001
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金魚生活 / 感想・レビュー

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chimako

中国で暮らす未亡人玉玲=ユイリンはレストランの金魚係り。毎日水道水のカルキを抜き上から2mmの水を換える。細心の注意を払っても死ぬ金魚も弱る金魚も出る。一人娘の珊珊は日本に留学してそのまま結婚してもうじき子どもが産まれる。娘の世話のために初めて日本に来た玉玲は戸惑いながら少しずつ日本の暮らしに慣れ、娘の希望で再婚相手を探すことになるのだが……。何回目かのお見合いで「この人ならば」とその時中国で飼っている金魚(想い人)を思い出す。何気ない日常。その中に諦め、迷い、情熱等が淡々と描かれる。派手さはないが良書。

2016/12/14

ゆにこ

中国と日本では産後の生活が全然違うのだなあと思った。それにしても娘と孫のためだけに言葉も通じない人と結婚するなんて無謀だし、上手く行かないだろう。最後には自分の居場所が分かって安心。

2014/06/18

あかは

表紙の美しさに惹かれて。中国から日本へ移り住んだ娘の世話をしに日本へ行く主人公。言葉の違い、習慣の違い。娘に日本人と再婚して、と頼まれるが、中国に残してきた恋人も気になる。どちらを選ぶのかと思いながら読んだ。淡々とした中にも穏やかな時間が流れているような趣のある本でした。

2015/09/15

そうたそ

★★★☆☆ デビュー作の「ワンちゃん」、芥川賞受賞作の「時が滲む朝」に比べると、格段のユーモアが感じられる一作だった。中国東北部のとあるレストランに勤める林玉玲は店長から金魚の世話を頼まれるのだが、ある時日本に住む娘の出産のため来日した際、日本人との再婚を勧められ、心揺さぶられていくことになる。日中間の文化の違いに戸惑いつつ日本で暮らしていく玉玲の姿がユーモアたっぷりに描かれる一方で、タイトルにもある「金魚」が作品に効果的に活かされており巧いなあと感じた。多少の粗こそ目立つものの十分に面白い。

2016/01/27

ねなにょ

運命や周囲に翻弄され、まるで水槽の中の金魚のように、生きてきた玉玲。自分の意志で慣れ親しんだ生活を捨て、孫の世話をするために日本に残ろうと決意するが…。娘がまだ小さかった頃、中華系のお友達のお迎えは孫の世話をする為だけに長期滞在しているお祖母ちゃんやお祖父ちゃん達。英語を話さない人も多く、同じ地方の中国語を話す仲間がいない人達は、ただ笑顔で孫が遊ぶのを見守っているという、ちょっと寂しそうな姿が玉玲に重なり、切なくなった。金魚がたゆたうように、静かに流れる文章も心地よい。

2021/03/04

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