KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

くじら組

くじら組

くじら組

作家
山本一力
出版社
文藝春秋
発売日
2009-03-16
ISBN
9784163279800
amazonで購入する

くじら組 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

里季

「これが、たまるかー!」土佐室戸岬のくじら組の漁師たちと、「黒船」と名づけられたマッコウクジラとの男と男の闘い。生き物を殺生することを生業としてきた漁師には、誇りがあった。クジラも漁師も互いに命をかけて闘うかだら、成仏を願うためにも解体した肉は一匁も腐らせたり無駄にしてはならない。「黒船」は体調不良により、浜に座礁してしまうが、漁師らは、身動きできないものを殺生するのは本意ではない、と、村総出で「黒船」を海へ帰してやる。その恩を忘れず、ご公儀で下田湊まで行く途中の勢子船を嵐から救ってくれるのだった。

2013/05/25

たいよう

自分のやるべきことを精進して磨きをかけ、全員が同じ目的のために取り組むのは大変だけどうらやましい。くじら漁師とくじらが敵ながら敬意を払って、真剣に向き合うのもよかった。

2014/09/21

ふっちゃん、男性60歳代(乱読書歴50年)→70歳になった。

1頭のマッコウクジラが捕鯨船へ反撃を始めた。 家族を仲間を失ったクジラは、その巨体を武器にして捕鯨船団にぶつかり漁師を食い千切った 。慌てる漁師を見て船団を組んでいない時の弱さ、脆さを知った。そのクジラは黒船と呼ばれ捕えることが土佐藩の最重要項目になった。その賢さを知る漁師達は、浅瀬に動けなくなった黒船=クジラを浜の全員で助け、沖に戻して挙げた。その捕鯨の漁師達が江戸城に呼ばれた為、江戸に向う途中難波仕掛けた時、黒船が身を底してその恩に報いた。心温まるお話しです。 【3.8】

2024/06/20

クサバナリスト

いつもながら、江戸時代の庶民の生活に基づく話が新鮮。更に本作は鯨の恩返しの話まであり楽しめた。

2014/01/12

wasabi

しんぶん赤旗日曜版で読む。高知の勇壮な鯨漁を描く。誇り高き土佐の漁師たちの男振りがいかしている。なにせ、手漕ぎ船で鯨に挑むのだから命懸けなのだ。物見の眼力、漕ぎ手の腕っぷし、そして頭元の肝っ玉と的確な判断がひとつにまとまってこそ仕留められる。

2008/06/27

感想・レビューをもっと見る