武士道エイティーン
武士道エイティーン / 感想・レビュー
めろんラブ
遂に辿り着いた約束の地。二人の運命の日が始まる・・・。予想外の展開にしばし呆然。そうなっちゃうんですかっ?!ホントに?虚しいというか、無念というか。浮世のままならなさを痛感です。この武士道シリーズは、剣道を通じて悩み成長する少女達をこの上なく真直ぐに爽快に描ききっていて、本当に気持ちよく読了できました。紆余曲折はあれど、彼女達なら己の武士道を極めるのだろうなぁ~(遠い目)。またいつかどこかで二人に再会できますように。その時は香織が「鉄拳制裁Tシャツ」を卒業してますように。いや、卒業してませんように!
2010/06/20
hiro
文庫化が待てないので図書館で借りてきた。16(高一)、17(高二)と進んできた武士道シリーズもこれで完結。これまでは香織と早苗が交互に話を進める形だったが、今回は早苗の姉緑子、香織が通う桐原道場の玄明、福岡南の吉野先生、東松の一年後輩の美緒がそれぞれの目で語るスピンオフも混ぜられ、香織と早苗が目指す「武士道」だけでなく、登場人物それぞれの「武士道」が見えた作品だった。佐藤多佳子の 「一瞬の風になれ」は陸上短距離の高校三年間を描いたものだが、それと肩を並べる読んで気持ちがすっきりする青春スポーツ小説だった。
2011/09/03
ntahima
最後はグランドホテル形式。主要登場人物の一人語りが回り灯篭のように繋がって行く。二人の最後の夏をもっと読みたかったとの意見が多いのもわかるが、個人的にはこれで良かったと思う。名作と言われる作品の中にも、主人公を際立たせる為にだけに作られたような脇役が登場する場合が多い。私は小説でもドラマでも脇役の人生が気になるタイプだけに、二人と共に青春を生きた彼女・彼らの視点が読めて満足。小説は主人公達の為だけにあるのではない。確かに青春には少し重すぎる話があったのは事実だが。次はAge25か?暫しの別れぞ 今さらば♪
2011/10/09
文庫フリーク@灯れ松明の火
文庫化待てず図書館。噂の紅白しおり紐、初めて手にしました。個人的MVPは伶那に切り札使わせた平正眼の田原美緒。格闘小説好きとしては桐谷流のシカケとオサメにわくわく、若き桐谷玄明VS吉野正治バトルが楽しい。試合後、正座して礼を交わす香織と伶那。シックスティーンでの強烈なキャラが見事な成長。警察官父親との進路相談会話はツボ。くせの有る脇役掘り下げて《武士道》に深み出ましたね。欲を言えばシックスティーンから一気に読みたかったです。良き剣道小説・魅力的な青春成長譚でした。面白かったー♪
2011/11/10
kishikan
シリーズ最終作?となる本作は、香織と早苗の視点だけでなく、謎だった桐谷道場のことや吉野先生の過去が様々な視点で語られ、そこに香織と早苗の勝負の場面が盛り込まれ、まさに「武士道」満載。スポーツ、ティーンズ、そこに精神訓話を混ぜこぜにしたライトノベル、これって解説の有川さんじゃないけど、誉田さんだから書けた小説なのかもしれませんね。インターハイ後の二人のことがさらっとし過ぎなので、「はたちの武士道」「社会人になってからの二人」に続いて欲しいのですが、それを読者に想像させ終わるというのも小説の妙なのでしょうね。
2012/07/27
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