KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

廃墟に乞う

廃墟に乞う

廃墟に乞う

作家
佐々木譲
出版社
文藝春秋
発売日
2009-07-15
ISBN
9784163283302
amazonで購入する

廃墟に乞う / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

遥かなる想い

2009年下半期直木賞受賞作。仙道という休職中の刑事が北海道で発生した事件を追う短編小説集。事件の謎解きではなく、その背後にある人間の物語を事件捜査のアシスト的な形で描いていく。完全な解決で終わらないところがよいのかもしれない。

2012/04/15

おしゃべりメガネ

直木賞受賞作です。ミステリーにありながら、素晴らしくヒューマニティあふれる作品だと思います。‘都合’で休職してる刑事があらゆる事件の解決を、あくまで‘アシスト’に徹する物語です。このアシスト具合が絶品で、日向にでず日陰でしっかりと物事を見つめる、そんな落ち着いた人間になれたらと憧れます。読んでいて、東野圭吾さんのような爽快感はありませんが、重厚かつある意味ダイナミックな展開は読む側を完全に黙らせてくれるほど、圧巻かつ圧倒的です。長編だけではなく、こういう短編連作集も素晴らしい作家さんなので、オススメです。

2009/08/16

散文の詞

連作短編集です。 主人公が休職中の刑事というのも面白い設定だなとおもうし、正式ではない捜査依頼になんとなく巻き込まれって設定もおもしろいです。 行ったことないですが、それぞれに、北海道の情景が浮かぶような、それでいて、物悲しい話は、全体に哀愁を誘います。 ただ、そういう話ですから、全体に盛り上がりません。 まあ、主人公が現場復帰できるのか、その点くらいですかね。全体の関心としては。

2022/08/29

takaC

陵南の仙道彰を思い浮かべてしまいがちな主人公の命名(仙道孝司)は、なんとなく失敗なのではないかと思ったりしながら読んでいた。道内をかなり縦横無尽に駆け回っているみたいだが、休職中の警察官には収入はあるのだろうかとか、この人には家族はないのだろうかとか、そもそも仙道は何歳なんだろうかとか、余計なこともいろいろ考えさせられた。そして、解は得られなかった。

2012/12/07

じゅん兄

同僚の警察官や新聞記者の情報を元に事件の関係者に迫るが、休職中のため捜査権も逮捕権もない。事件の解決を目指した物語ではなく、事件に纏わる人々の心理や人生を浮かび上がらせる。かと言って大上段に構えることなく淡々と人々の心に迫る主人公、仙道自身が心のリハビリ中と言う設定も物語に合っている。だから伏線もトリックもどんでん返しも要らない、北海道の原風景だけあればよかったのだろう。

2013/08/10

感想・レビューをもっと見る