海峡の南
海峡の南 / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
本(作品)との偶然かつ奇跡的な出会いがあるとすれば本作だったかもしれません。古本で偶然、目にして手に取り何気なく開いた頁には、なんと今住んでいるオホーツクの町の名前が数々と書かれており、内容も確認せず、買ってしまいました。北見での出来事ではありませんが、近隣の紋別や遠軽がクローズアップされ、女満別や稚内などの名前も出てきます。話自体も個人的には好きな雰囲気で、芥川賞作家の中でも、作風はストライクでした。‘はとこ’である主人公「洋」と「歩美」のなんともいえないセクシーな‘間’が秀逸で儚くも美しい作品でした。
2015/12/31
ベイマックス
破天荒?な父親との思い出を語りつつ進行する物語。祖父の臨終に、失踪中の父親が現れるか。はとことの関係。〇感想の難しい小説。
2023/11/01
ともくん
静かな静かな、父と息子の物語。 離れていくのに、離れられない関係。憎んでいるのに、憎みきれない。 そして、受け継がれていく記憶。 どこまでも、付いてくる父子という血の繋がり。 今も、どこか離れた所で、互いに記憶を辿っているのだろうか。
2022/06/22
巨峰
かすれた愛しさを感じた。うまく感想は書けないけどよかったです。父と息子との大河小説と読むのもいい。はとこ同士の恋愛小説としてもいい。それが年を経た甘い恋愛と言えないものであったとしても。伊藤たかみは、僕とは全然違う人間だけど、だから惹かれるのかもしれん
2013/12/29
いくら
海峡とは津軽海峡。祖父は開拓者。父親はフロンティア精神を胸にナイチ、関西で自己実現に励む。洋が大学生になったころその父親が失踪する。7年が経ち父親の死亡が確定し、数年。祖父の容体が悪くなり、海峡を渡る洋。あんまり共感の涌く魅力的な登場人物はいないけど、自分について考えてしまった。自分の父母、祖父母、その上のご先祖様、彼らの存在は年々大きくなっている。彼らがどう生きていたか、少しでも分かると、それがどうであれ財産が増えたような気になる。
2014/07/16
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