Invitation
Invitation / 感想・レビュー
ヴェネツィア
現在、最も活躍しているといっていい8人の女性作家による競作短篇集。ここに収録された短篇群は、いずれも「文藝春秋」誌上に発表されたものだが、ご本人たちには競作の意識はなかったものと思われる。また、タイトルの"Invitation"にもさほどの意味はなく、「今旬の作家たちによる小説世界への招待」といったようなものだろう。8人の作家たちはいずれも個性的であり、おそらくは目隠しテストをしても間違えることはないだろう。さて、こうして並べてみると、今回、一頭地を抜いているのは江國香織氏の「蛾」だろう。⇒
2018/08/06
キムチ
8編収納。改めて女性作家の描く力や温度の巧みさに感慨。何れも、今日そうそうたるメンバー、どれをとっても広がる精神世界はこちらをガツンとさせる。個人的に言えば高樹、林さん、持っていく方向が嫌いで離れたので今回のものも嫌~な着地。江國、小川さん、ふわふわする飛翔する感覚が好みじゃなくなっているので、今回も。桐野さん、ずんと来る手触り、やはりお好み。小池、高村さん、やはり捻る、小突き回すW・・だから楽しい。川上さん、作品に好き嫌いがあるけれど、今回はいまいち。女性の方って独り言をカタカナで書く方、多いのかな。
2015/07/04
なっく
Invitationされて引き込まれるのは、私の大好きな作家さんたちが用意してくれたおぞましくも怖ーい世界。と言っても幽霊や怪物が出てくるホラーではなく、生身の人間の怖さをそれぞれの個性たっぷりのテイストで味わわせてくれる。これは贅沢だ。特に後半の小池真理子、高城のぶ子、林真理子の描く女は怖い、ごめんなさい、勘弁して。
2020/12/14
nyanco
怖いながらも美しく描いてしまうのは流石、江國さん。小川さんはラストシーンの絶滅した鳥のメリーゴーランドのシーンは、映像としてとても美しい。川上さんは昭和の女を内側からライトタッチで見事に描かれ、桐野さんは時代物をゾワゾワ…と…。小池さんは終わっていく恋のかたちを、いつも通り見事に、高樹さんは初めてだったのですが、火サスのようなどんでん返しのあるミステリーとしてお見事!高村さんの描くカワイイアナタに魅了された老人の姿は哀しくも怖いものでした。さて、〆は林さん…。(続)
2010/01/28
yuyu
好きな女流作家さんの名が並び、つい、手に取った短編集。タイトルのInvitationは招待の意味のほかに、誘惑、誘引などの意味もあるとか、なるほど。後の意味のほうが合っている作品が多かった。すでに、読んでいるものもあったが、なかなかの読み応え。さすがお歴々…上手い。高樹のぶ子さんの作品が一番印象深かった。
2016/09/03
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