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橋

作家
橋本治
出版社
文藝春秋
発売日
2010-01-28
ISBN
9784163289007
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橋 / 感想・レビュー

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ちえ

図書館「川のある風景」のテーマでの展示:どこか既視感があると思ったが、実在の事件をベースにした作品だった。日本列島改造論をぶち上げた政治家の地元、ピンクレディーの解散…時代をうまく取り込み、時代とともに、田舎町や家族も変化していくなか、二人の女の子の小学生時代から成長、人生を転落していくまで。事件自身に焦点を当てるのではない書き方が、読者に(どうしようもなかったのだろうか)とより深く問いかけとなって投げかけられる。時代を象徴する出来事の数々、自分自身がどうだったかも思い返し読み進めた。

2021/08/22

松風

安易な「犯罪者の生い立ち」モノとは一線を画す。同時代の、「あり得た私」。

2014/10/19

きゅうり

小説としても面白いし、戦後30年からバブル崩壊までの時代考察も興味深い。犯罪を犯した二人の女はそんな時代に翻弄されたのだろうか。キーワードは豊かになった人々が個を持てるようになったこと。しかし、その先は?ということ。ままならない人生に癇癪を起こした?受け入れられない現実をなかったことにしたかった?満たされない何かを突き付けてくれる。分かって仕舞えば、そんなものはどうということもないと開き直ることもできるのに。それは強がりだろうか。

2015/07/18

いくら

昭和三部作と言われる『リア家の人々』『巡礼』に続いて読みました。今作品も読みやすい文章です。しかも昭和についての著者独自の洞察が興味深く、一気に読んでしまった。この『橋』は団塊の世代と団塊ジュニア世代の話だが、主人公二人の親子関係が酷すぎて悲しくなります。先進国へ成長していく中で労働に消費に忙しく大事な物が欠落した日本の姿なのだろうか。

2013/03/07

むつぞー

淡々と描かれているのは二人の女性とその母親たちだったりするのだけれど、実際メインとなるのは昭和のその時代だという気がします。 母親たちが青春をすごし結婚した、高度成長時代から日本列島改造、バブルとその後の時代…。 ラストへ来てとある事件にたどり着くのだけれど、それまではそれが全く判らなかったので余計にその時代というものを感じたのかもしれません。 りこの時代の闇の部分や歪んだ部分の行く末として、あの事件が選ばれ、この物語が描かれたのかもしれません。 読後なんとも言えない空虚な、やるせない気持が残りました。

2010/04/22

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