KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

桃色東京塔

桃色東京塔

桃色東京塔

作家
柴田よしき
出版社
文藝春秋
発売日
2010-05-13
ISBN
9784163291307
amazonで購入する

桃色東京塔 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ゆみねこ

東京で警視庁の刑事として働く黒田岳彦と、Ⅰ県警上野山署の刑事小倉日菜子はとある捜査がきっかけで知り合う。失敗からのし上がろうとする黒田と、新婚の夫を亡くしたばかりの日菜子のもどかしいばかりの想い。警察ものでもあり、恋愛小説でもあり。日菜子にかかわる人が事件の関係者になり過ぎかと感じましたが中々読み心地は良かったです。東京に憧れながら地方を捨てられない思い、この二人なら上手く折り合いがつけられそうかな?

2015/07/05

冴子

表紙の美しさに惹かれて図書館で借りました。東京の警視庁に勤める男と、T県とI県の県境にある過疎地の警察で刑事をしている若い女性。警察が絡んでいるので、勿論事件もあるし、解決もするのだけれど、どちらかというとミステリーではなく、二人がで会い、心をそっと通わせ始めるところがストーリーの主たるところか? 都会と過疎地という二つの対照的な場所に住む二人が、人生をどう選ぶか、ちょっとドキドキしながら読みました。 ろくに人も住んでないような過疎地だからこそ、そこに住む人々にはいろんな人生がある、柴田さんならではです。

2015/08/30

えむ

警視庁捜査一課勤務の刑事・黒田岳彦は、ある事件の捜査でI県警上野山署捜査課係長・小倉日菜子と出会う。過疎の村で働く日菜子は警官の夫を職務中に亡くしている未亡人で、東京に対して複雑な思いを抱いていた。捜査が進むなか岳彦と日菜子は少しずつ心を通わせてゆくが、あらたに起きるさまざまな事件が、ふたりの距離を微妙に変えていって…。異色の連作短編集。警察小説+恋愛小説ということで、群青のタンデム(長岡弘樹著)を思い出しました。ただ、こちらのほうが、少し恋愛色が強いかな。2015-43

2015/06/16

nyanco

事件の被害者、そして加害者、事件の謎を探る過程にその人の過去や、抱えている問題が浮き彫りになってくる。このあたりが、とても柴田さんらしい作品で面白い。事件と人を描かせると、本当に巧い。東京タワー、橋、日菜子だけが知る秘密の場所、猫…、物語の鍵となるアイテム使いも秀逸!警視庁の黒田とI県警の日菜子…、I県と東京の事件がこんなにも関わってくると言うのは実際にはやや無理を感じるが、事件に関わる人々についても、そして二人の気持ちが寄り添っていく過程がしみじみと心に沁みる作品。続→

2010/05/26

れいぽ

柴田さんの警察モノだと、荒々しい(動)か濃やか(静)かのどちらかなんですが、この作品はすごく静かなトーンですね~。限界集落で暮らす未亡人の日菜子の設定が効いているのかな。日菜子が黒田と墓参りする場面はいいですね。「大切な人を失った喪失感に溺れて幸せを感じられなくなる」「自分で自分を不幸にして安心している段階を終えなくてはならない」悲しみを乗り越えるのは本人次第。この分析は秀逸だなぁと。

2010/09/28

感想・レビューをもっと見る