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血統

血統

血統

作家
門井慶喜
出版社
文藝春秋
発売日
2010-06-10
ISBN
9784163292502
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血統 / 感想・レビュー

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nyanco

遺伝の重圧から逃れようとする主人公と、品種改良で生み出された純白のダルメシアン…。『血統』と言うテーマが絡み合うように巧く描かれている。相変わらず説明調のウンチクが綴られるのにはやや閉口するが、これは門井風なのでしょう。2章の事故についてはブリーダーがそんなことも解らず、あの対応には???不自然で強引すぎたかな…。自分には才能が遺伝などしなかっただろう…と、一雅がずっと悩んでいたであろう感じはとても良く、父の手紙や婚約者とのくだりもとても良かった。続→

2010/06/25

夜梨@灯れ松明の火

「お探しの本は」から始まって、何冊か読みました。どれもそれなりの面白さでしたが、この本は最後まで方向が読めませんでした。黄色と白は生と死の色?画家(もどき)の主人公が「色」と「人生」を探すミステリーかと思いきや、ラストでビックリ(^_^;)

2012/06/01

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

日本画家の3代目でありながらペットの肖像画描きで生計をたてている時島は、新しい犬種を開発中という森宮より出資を依頼されますが・・。自身が3代目ということに対しての重圧を感じているせいか、最後まで迷いのようなものを感じました。そのため何だか掴み所がないままに終わってしまった・・という印象でした。肖像画や血統の話から一転した中盤からの展開には驚きました。希望のもてるラストにしてくれたのだけが救いかな。★★★

2010/07/02

むつぞー

一雅の感じる血の重責といった心情、婚約者とのこと、そして父親とのこと特に手紙とかが良かったですね。 ですのでいろいろミステリな部分はあるけど、重責から後ろ向きになっている主人公が、周囲に対してまた改めて絵を描くことに向きあうための物語だと思います。 ちょっともっとしっかりしろよと言いたくなるくらい、主人公の心の動きが丁寧に描かれていて、この辺りがとても良いです。 ただ色々詰め込み過ぎな気もします。 前半の絵の依頼主の謎解きなどもいい感じなだけに、展開の落差に戸惑いを感じちゃうのよ。

2010/07/08

たみ

著名な日本画家を輩出している家系に生まれながら、家を出てペット専門の肖像画で生計をたてている自称・絵画制作師が主人公。新種の犬を開発途中の男からパトロンになってくれないかと持ちかけられて…。ペットの品種改良はメインのテーマではなく、装置の一部分。結末を読者にゆだねているタイプの小説です。長い反抗期を終えてあるべき場所で希望に向かって進んでいくのか、血の檻から逃れきれずに破滅していくのか。私は後者派かなぁ。雑誌連載時は[血統証明]、文庫だと[悪血]と改題されています。

2014/10/23

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