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路地裏ビルヂング

路地裏ビルヂング

路地裏ビルヂング

作家
三羽省吾
出版社
文藝春秋
発売日
2010-07-13
ISBN
9784163293400
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路地裏ビルヂング / 感想・レビュー

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taiko

路地裏にある雑居ビル辻堂ビルヂング。そこに入った店子の面々の連作短編。みんなそれぞれ悩み考え足踏みをしてる。ひとつずつのストーリーの中で、最後は前を向き歩きだそうというする展開に、胸をグッとつかまれました。各ストーリー毎に、沁みるフレーズが溢れ、自分も頑張ろう!と言う気持ちにさせられます。そのフレーズをかみしめながら読み進めました。最後の章で、辻堂ビルヂングの歴史が語られ、一緒に歩んできたコースケさんと共に、そこにあって然るべき存在として、新しい形になって残った姿に、お疲れ様と言ってあげたくなりました。

2015/12/08

nyanco

各話が進むにつれ、それまでは毎日のようにすれ違うけれど名前も知らない店子同士がだんだんと繋がっていく連作短編集。最終話では、この辻堂ビルヂングの歴史が語られる…。ほんわか系の三羽作品でした。『道祖神』『空回り』も好きですが、54歳のおばちゃんが一念発起する『紙飛行機』が一番心に残りました。私もまだまだ頑張らなきゃな~!!気軽に読めるので、お仕事小説の山本幸久さんや、荻原 浩さんの作品が好きな方に是非、オススメします。

2010/07/28

なゆ

『厭世フレーバー』が結構好きだったので、三羽さん2冊目。辻堂ビルヂングというボロっちいビルの、各フロアの店子を描く連作短編。怪しげな健康食品販売会社の新入社員、無認可保育所のパート、負け組塾講師、小さな広告代理店の我武者羅営業マンなどの〝働くということ〟が見えてくる。何をやってもマズイ1Fの飲食店や、謎の女性など、不思議もありつつ、だんだんみんなが仲良くなっていくのも楽しい。加藤の粘りっぷりと、意外にもまとめ上手ところもよかった。軽すぎず、ゆるすぎず、ウケ狙いすぎず、いろんな意味でちょうどいい感じです。

2014/11/19

ミナコ@灯れ松明の火

古い雑居ビルで働く、それぞれに訳ありの人たち。なんだかんだ心に抱える重たいものを持ちつつも、それぞれの短編の終わりには自分の壁をぶち破ろうとする決意が見え、すがすがしい。健康食品会社の加藤くん、最初はいけすかない奴でしたが徐々にナイスガイに変わっていくあたりも見もの。屋上のお姉さんがいいお仕事をしてるなあ~。ビルヂングの「ヂ」に違和感を覚えないのは、わたしが名古屋人だからでしょう。。

2011/08/23

しょこ

辻堂ビルヂングの店子たちの連作短編集。生きていくこと、働くことって、人それぞれに夢や希望と現実のバランス、兼ね合いのようなものがあるんだなぁと思った。読み進めるうちに、登場人物に愛着が湧き、加藤くんの地味~に出世してく様子や、一階の飲食店の変わり様ににやにや。なかでも、「空回り」の桜井夫婦と、阿部室長の懐中時計の話が好きだったな☆

2016/06/08

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