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月と蟹

月と蟹

月と蟹

作家
道尾秀介
出版社
文藝春秋
発売日
2010-09-14
ISBN
9784163295602
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月と蟹 / 感想・レビュー

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にいにい

小学5年生10歳、子供を卒業しそうで、でも大人ではない年齢、親との死別や複雑な家庭環境等から生ずる理不尽さ、やり場のない思いから、ヤドカミ様を創ることで逃げようとする。でも、ヤドカミ様は暴走。親の恋愛、性を受け入れられないのに、それを目の当りにさせられ、自身の性との葛藤も、登場人物の言葉にできない感情がリアルに伝わってきて、読みを止めたり、描写の鮮やかさに、その文をじっくり味わったり、切なさに悶えたり、そんな醍醐味を存分に与えてくれる人間が描かれた一冊。微妙な距離感の友人。関係が変化してゆく描写が絶妙。

2016/02/05

遥かなる想い

第144回(平成22年度下半期) 直木賞受賞作品。道尾秀介という作家、本当に才能がある人だと思う。ミステリもうまいし、何よりも読者を惹きこませる筆力がある。子供視点のこの小説が醸し出す雰囲気は初期の宮本輝の作品群にも似てひどく懐かしい。大どんでん返しがあるわけではないが、読書中の異常な緊張感は読書の醍醐味で本作でも裏切られない。心の中に巣食う悪意のようなものも丹念に描かれている。 ヤドカリには少し無理がある気がするが、心理描写の手段か。

2013/04/27

修一朗

子供と道尾秀介。この組み合わせにはイヤな先入観を持っていました。でも今回は違いました。子供に向ける眼が優しい。どうすることもできない環境の中,その中で自分なりに決着つけるためにもがく子供達。激しく揺れる子供の心情を丁寧に描いています。[大人になるのは難しい] 秘密基地を作ってヤドカミ様に願掛けしてしまうくだりには大いに共感(俺もヤドカリ炙ったなぁ)。リアリティと不気味さを兼ね備えており,子供の焦燥感や切迫感を鮮やかに切り出せています。まさにスタンドバイミーでの死体探し,禁じられた遊びでのお墓作り。

2014/04/16

takaC

-願いが本当になるはずなんてない。-

2011/05/10

kaizen@名古屋de朝活読書会

直木賞】著者の作品は苦手だった。初めは恐る恐る読み進んだ。学園物で地域物。鎌倉が舞台。蟹も登場するが、ずっと出てくるのはザリガニ。「ザリ神」として祀るところが妙。やや暗め。不快感はない。

2013/12/12

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