波の絵・波の話
波の絵・波の話 / 感想・レビュー
らん
この村上さんの作品はキザすぎるように感じるけれど夏の終わりにノスタルジーに浸るには良い。村上さんセレクトの洋楽の歌詞は、向ける君への言葉にドキッとして甘い言葉に挟まるやれやれが村上さんらしすぎてクスッとなる。村上さんと稲越さんのコラボ作品は「使いみちのない風景」を読んで以来。海、ビーチ、街の過ぎていく時間の美しさを切り取った稲垣さんの写真、好き。私達はスーパー・マーケット的迷路の中に生きているのか…と村上さんの見えている世界にまた圧倒されつつ、お洒落な文章、センチメンタリズムを波の景色と共に味わいました。
2023/09/06
春ドーナツ
稲越功一氏について調べてみた。写真のみならず自ら文章も書くという、ライター&カメラマンとして知られた。また、風景写真と人物撮影を得意とし、特に数多くの有名人の写真集の撮影に携わったことでも有名であった(Wikipedia)。本書の他に「使いみちのない風景」でも両者はタッグを組んでいる。本書が文庫化されなかったのは、レイ・カーヴァー氏の短編小説と「村上ソングズ」のように洋楽の歌詞も何作か収録されていたからかと勘ぐる。本書は大判本であり、なかなか大胆な企画本でもあった。あったと思う。
2017/03/01
たなかか
多分村上さんの好きな歌の歌詞 今の時代に読むと80年代のノスタルジーを凄く感じる スーパー的という言葉を村上さんがつかうとこんなニュアンスになっちゃうのね。すごいなぁ
2017/05/16
よし
稲越功一さんの写真と村上春樹さんの文章、いくつかの洋楽の歌詞。1984年に発行されたセンスの良い本です。ハワイやパリ、LAなど各地の写真の中でNYは1983年の9月に撮られたものが多く、18年後の9.11を思わずにはいられませんでした。60年代からの20年間を80年代に振り返る村上春樹さんの文章をそれから30年後の今に読めるというのは不思議な感じがしました。
2015/08/09
哲
稲越功一さんという人の写真集に、村上春樹氏が文章を寄せた感じのコラボ作。これもまた、ふわりとした空気感の中を漂うようなムードに満ちている。決して真面目に向かい合うようなものではないし、そうしてしまうと台無しになる何かがある。退屈で手持ち無沙汰な、日曜の午後のような、砂浜に何時間も寝そべって海を見ているような、そんな写真&文章である。何もかもがイヤになって、そんな時に家にあったならば、ちょっとだけ気分が楽になりそうな気がする。案外そういうのが、人生には必要な時もある。
2017/04/04
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