無私の精神 新装版
無私の精神 新装版 / 感想・レビュー
水野洸也
「私の人生観」と「ドストエフスキイの生活」、「モオツァルト」を少しと最後の「考へるヒント」を読んだ。この中では講演記録である第一番目が良かったけれども、そこで小林のほとんどが語られてしまっているようで、他のものにはあまり興味が向かなかった。「ドストエフスキイ」はところどころ面白いところがあるけれども、その後に続く「無常といふ事」からは文の着飾りが多くなり、「モオツァルト」は特に酷い。「考へるヒント」は読めたが、自意識のあり余る文章でなにしろ直視できない。話し言葉が彼の真骨頂と再認識したひとときだった。
2016/10/22
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