ばれてもともと
ばれてもともと / 感想・レビュー
怜
初の色川武大。文章が読みやすく上手いな、と思った。どうやら随筆「選」らしい。それにしてもこのひとの他者を見つめる視線の暖かいこと。馴れ馴れしくもなく大げさでもないその文体。自分のことを書くときはややシニカルなところもまた、好ましく失礼ながらかわいらしいと感じた。青島幸男、井上陽水、野坂昭如、書ききれない見知ったひとのエピソード。故人を追悼する随筆が続くと思わずもらい泣きしてしまった。決して上から他人を見ないだからと言って、へりくだってもないところが魅力。ほかも読みたいと思った。
2015/01/04
hirayama46
没後に編纂されたエッセイ集。ひとつのテーマに統一されていない雑多なエッセイ集は色川武大には珍しいですね。そのぶん最も素に近い部分に触れられる本になっていたように思えます。滋味がありますね。
2021/11/16
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