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沖にむかって泳ぐ―池澤夏樹ロング・インタヴュー

沖にむかって泳ぐ―池澤夏樹ロング・インタヴュー

沖にむかって泳ぐ―池澤夏樹ロング・インタヴュー

作家
池澤夏樹
新井敏記
出版社
文藝春秋
発売日
1994-02-01
ISBN
9784163488608
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沖にむかって泳ぐ―池澤夏樹ロング・インタヴュー / 感想・レビュー

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アイナ

岸辺にしがみつき私小説を書くことを選ばずに、沖にむかって泳ぐことを選んだ著者にとって旅は必要な栄養なのかもしれません。「沖縄には東京にはない、共同体社会が残っている」と沖縄離島の巫女と祭りについて取り上げていますが、ひいおじいさん以前から東京に住む私からすると、東京にも共同体があります。普段は閉ざされた古びた神社の扉が開き、祭りが行われます。その巫女を私は4年していました。著者が反東京という時の東京は、私の育った東京ではなく、通り過ぎていく人たちが作りあげたトウキョウなのだと、この本を読んで気づきました。

2016/08/04

shishi

[A+]池澤夏樹のインタビュー集。読むことと書くことの実践的な話や自身の小説観が語られる。『マシアス・ギリの失脚』、『楽しい終末』が刊行された直後のインタビューも含まれており、そこでは『マシアス・ギリ』とガルシア=マルケス、『楽しい終末』とヴォネガットの関係が論じられる。その他、フォークナー、ピンチョン、ロレンス・ダレル、篠田一士、吉田健一、宮沢賢治、石川淳、大岡昇平、私小説作家、明治期の作家などに対する見解も述べながら、池澤夏樹の創作、思考の方法を語っている。創作の舞台裏がよくわかる。

2014/01/14

作家がそれまでの道程について、真摯に語る。『マシアス・ギリの失脚』と『楽しい終末』を出した1993年頃まで。そして作家が次の長編小説を出すのは2000年『花を運ぶ妹』。刊行から20年過ぎていても作家の旅や小説に関する目線は変わってはいないように感じられる。

2022/01/01

ペミカン

翻訳や書評を書く人の読書量は別世界のモノで殆ど理解できなかった。でも、作家であり読書家である、という池澤さんの、本に対する思いの輪郭は何となくわかったし、作品に自分は出さないという姿勢から、あのティオの立ち位置が理解できた。「私小説は書けない」「物語は読むのも書くのも冒険」という本への思いに、池澤さんの体温が感じられて、幸せだった・・。ちょっと恋した気分!

2009/06/06

shanshenri

本を読むことが、外の世界に向かうこと。旅をすることに似ているという考え方がすごくいいと思った。実際に本を一冊読む中にさりげなく紹介されている作家や本を見ると読んでみたくなる。 また、自分がまだ読んだことの無い本に関してかかれている事も多かったので、ぜひ他の本も読んでみたいと思った。

2012/05/20

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