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心臓を貫かれて

心臓を貫かれて

心臓を貫かれて

作家
マイケル ギルモア
Mikal Gilmore
村上春樹
出版社
文藝春秋
発売日
1996-10-10
ISBN
9784163521206
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心臓を貫かれて / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

読んでいると心が固く、凍てつくような諦めと無気力に苛まれた。何故なら、この本は他人事ではないからだ。明らかにおかしいが、周囲は助けず、外面は良いが、閉じた環境では互いに傷つけあう家族。特に夫婦で自ら、争いの種を見出しては子供達へ飛び火する構造は我が家庭を重ねては苦々しくなるばかり。しかし、この本が特出すべき所は普通、罵られて蔑まれてもおかしくない人物が何故、そういう風になったのかという生い立ちを客観的な距離を置いた上で探ろうとしている点だ。それには作者の家族への愛情や一番、遠い所にいた自分なりの贖いなのか

2018/06/01

やいっち

傳田 光洋著の「皮膚感覚と人間のこころ」 (新潮選書)にて参照されていた。昔、読んだ。ひたすら殺伐とした、救いのない作品。

とくけんちょ

アメリカの殺人犯、ゲイリーギルモアが死刑になった話、ノンフィクション。やりきれない物語。死刑囚の年の離れた弟が著者で、ギルモア一族の破滅していく様を描いていく。幼少期に負った精神の傷は回復しない。ただ罪の轍をなぞり、破滅を迎える。やりきれない思い、同情、憎悪、嘲りなどいろんな感情が湧き出てくる。揺さぶられること間違いなし。本作の持つ熱量は凄まじい。

2023/02/25

ころりんぱ

殺人犯の兄を持った作者の家族のノンフィクション。末っ子の作者は、家族の歴史や過去の出来事を、紐解いていく。父、母の異常性、日常的な折檻や激しい夫婦喧嘩、兄たちの非行など、こんな家庭があるのかと信じられないくらいの酷さ。内容が多岐に渡っているので、まとめにくいが、このひどい家族の中で生き延びてきた長兄と作者が、家族の愛憎の呪縛から解き放たれて、自分の人生を歩いていけますようにと願わずにはいられない。

2013/12/22

キク

ある家族に流れる呪縛って本当に、比喩じゃなくてあるんだってわかった。その呪縛に抗う人々の姿に心がうたれる。自分が子供達に何を残せるのか、残しちゃいけないのか、真剣に考えさせられたです。

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