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南洲残影

南洲残影

南洲残影

作家
江藤淳
出版社
文藝春秋
発売日
1998-03-01
ISBN
9784163538402
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南洲残影 / 感想・レビュー

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ダイキ

江藤淳晩年の作。私は江藤淳という人が三島由紀夫の義挙を“病気”だと言ってるのを読んで以来、全く信頼出来ないでいたのですが、「西郷隆盛と蓮田善明と三島由紀夫と、この三者をつなぐものこそ、蓮田の歌碑に刻まれた三十一字[ふるさとの駅におりたち眺めたるかの薄紅葉忘らえなくに]の調べなのではないか。西郷の挙兵も、蓮田や三島の自裁も、みないくばくかは「ふるさとの駅」の、「かの薄紅葉」のためだったのではないだろうか。」、最期にはこの境に到っていたのですね。途上のみを見て人を裁断する事の危険さ、愚かさを痛感しました。

2017/08/01

大楠公

歴史小説ながら、漢詩、詩歌等が途中に散りばめられて、読みにくさというか、自分の文才の無さのせいで、理解の薄いまま1回目を読み終えた。 すぐに2回目に挑戦。 征韓論に敗れ下野し、西南戦争へと突き進んでしまった西郷。勝てないと分かっていながら、降伏など眼中になく最後まで戦い抜いたのはなぜなのか。そうしなければ、我々を含む後の世代が、その想いを引き継げないからではないだろうか。その後に起こった二・二六事件、三島自決も同じ意味を持っている。

2024/08/25

denden

「西郷南洲は思想である」と帯書きにはあるが全く思想は語られていない。あるのは文学的な情緒と年寄り特有、或いは世を捨てた右翼人特有のエモーショナルな独り言ばかりである。11章からなる西南戦争の西郷軍の歩みと解説ではあるが敗軍である故、確証は乏しい。そもそも、西郷軍が勇ましかったとか全的滅亡の思想だったとか、どうでもいいことだ。また、白菊の歌がどうだこだ、涙を流すとかも読まされる方がツラい。 保守派文人としての論考を期待していたが大いに裏切られた。

2020/01/10

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