地ひらく: 石原莞爾と昭和の夢
地ひらく: 石原莞爾と昭和の夢 / 感想・レビュー
くすりん
700頁を超える大作。石原莞爾の人生をなぞるように明治末期〜昭和の敗戦までの事件、事変、戦争について、何処の誰が何を考えどの様に行動したか?というのを考察交えながら進める歴史書。何故日本は、負けたのか?について、どう言う因果があるのか?が考えさせる本。その時の流れに於ける石原莞爾の生き様は、凄い。昭和の天才。国家レベルでの方向性を忌憚なく語れる人。グランドデザインってのはこう言う人が書けるのかと思う。今の日本人に会社経営と言う枠組みですらグランドデザインを、書ける人は少ない。
2017/07/12
KAZOO
石原莞爾という人物は、当時の官僚的な陸軍にあっては一種のはみ出し者だったのでしょうね。しかしながらそのような環境にありながら、日本という枠組みを超えてアジア全体のいくさきを考えていたと感じられます。今の政治家でもこれだけの考え方を持つ人は少ないと思います。当時の状況などを、ずるいのですがコミックの「ジパング」「虹色のトロッキー」「龍」などでもう一度おさらいをしたいと思っています。
2013/01/10
えむa
石原莞爾については、満州事変の首謀者であること以外全く知識がなかった。職業軍人であっても在野にあっても、戦争というものをとことん突き詰めて考え抜いたものすごくスケールの大きい人物だったのか。本気で八紘一宇、五族協和、王道楽土を夢見て果たせなかった人。昭和の戦争については単純な図式に落し込んで理解したつもりになってしまうのはいけないなと改めて感じた。現代史をもっと勉強したいと思った一冊。
2014/07/08
keiトモニ
何と買ってから8年余、積読でありました。なにせ760ページもあるものですから。「アジア民族の解放を実現するという石原の戦略は、壮大で、当時の日本では抜きんでたものであった」は印象的です。「予言者」の項で石原は歴史を動かそうと試みた男の巨きさを我々は感応することができた…と思います。
2010/01/11
読書の鬼-ヤンマ
2001年1月第1刷、図書館本。福田和也氏が込めた題:地ひらく、775頁の大書。地は、満州国であり、理想郷・西山農場、そして日本国の方向性。P746:戦略家石原莞爾、空襲による都市破壊を目にし近代都市の脆弱性、工場、行政、教育、報道、文化。機能の都市集約は、国民生活全般に好ましくなく、危機到来時に甚大な被害を惹起という意識があった。都市解体こそが、近代文明の災禍からの脱出の道。石原莞爾の言葉「それまでの戦火と野蛮に満ちた人類の前史の終焉をもたらす理想への扉だ」、と。2024年10月27日、衆議院議員選挙。
2024/10/28
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